詐欺と強迫、第三者への強さが違う
詐欺による意思表示の取消しは、取消し前に現れた善意無過失の第三者には対抗できません。一方、強迫による取消しは、第三者が善意無過失でも対抗できます。脅された人には落ち度がないから保護が厚い、と理解すると忘れません。取消し後に現れた第三者との関係は、登記の早い者勝ちです。
強迫による意思表示の取消しは、取消し前の善意無過失の第三者に対抗できない。
本試験50問のうち14問。民法が中心で、条文どおりに覚えても本番で崩れやすい分野です。原則と例外の関係を、対比の形でまとめています。 20テーマそれぞれに覚え方のコツと確認問題、宅地建物取引士(登録番号(東京)第273037号)による解説が付いています。登録なしで全文お読みいただけます。
本教材は 2026年4月1日 施行の法令にもとづいています。法改正で条文・数値が変わることがあるため、受験年度の公式情報もあわせてご確認ください。
詐欺による意思表示の取消しは、取消し前に現れた善意無過失の第三者には対抗できません。一方、強迫による取消しは、第三者が善意無過失でも対抗できます。脅された人には落ち度がないから保護が厚い、と理解すると忘れません。取消し後に現れた第三者との関係は、登記の早い者勝ちです。
強迫による意思表示の取消しは、取消し前の善意無過失の第三者に対抗できない。
未成年者が法定代理人の同意なしにした契約は、原則として取り消せます。例外は3つ。①単に権利を得る・義務を免れる行為(タダでもらうだけ等)②処分を許された財産(お小遣い)の処分③許可された営業に関する行為。取消しは本人も法定代理人もでき、取り消されると初めから無効です。
未成年者が負担のない贈与を受ける契約は、法定代理人の同意がなければ取り消すことができる。
他人の物でも、所有の意思をもって平穏かつ公然と占有を続けると、時効で所有権を取得できます。占有開始の時に善意無過失なら10年、それ以外は20年。途中で悪意になっても、スタート時点で善意無過失なら10年のままです。賃借人としての占有は「所有の意思」がないので何年経ってもダメ。
占有開始時に善意無過失であれば、その後に悪意となっても、10年の経過で時効取得できる。
抵当権には物上代位という力があります。建物が火事になったら火災保険金に、賃貸されていたら賃料に、抵当権の効力を及ぼせる制度です。ただし条件があって、保険金や賃料が『払い渡される前に差し押さえ』なければなりません。払渡し後ではもう手遅れです。
抵当権者は、火災保険金が抵当権設定者に支払われた後であっても、物上代位権を行使できる。
普通の保証人には、まず主たる債務者に請求してと言える催告の抗弁権、先に債務者の財産から執行してと言える検索の抗弁権があります。連帯保証人にはこの2つがなく、保証人が複数いても分別の利益もありません。債権者はいきなり連帯保証人に全額請求できる、ということです。
連帯保証人は、債権者からの請求に対し、催告の抗弁権を行使することができる。
建物賃貸借で、貸主が更新を拒みたいときは、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に通知し、さらに正当事由が必要です。正当事由は、双方が建物を必要とする事情、賃貸借の経過、立退料の申出などを総合考慮。通知を忘れると法定更新となり、従前と同条件(期間の定めなし)になります。
賃貸人は、期間満了の6ヶ月前までに更新拒絶の通知をすれば、正当事由がなくても更新を拒絶できる。
借地借家法の借地権の存続期間は30年。契約でこれより長くするのは自由ですが、30年より短い定めをしても30年に引き上げられます。更新後の期間は1回目が20年、2回目以降は10年。建物がある限り、地主側の更新拒絶には正当事由が必要です。
存続期間を20年と定めた借地権設定契約は、期間20年の借地権として有効である。
建物の賃借権は、登記がなくても『建物の引渡し』を受けていれば、その後に建物を買った新オーナーにも対抗できます。つまり住んで(鍵をもらって)いれば、オーナーチェンジで追い出されることはありません。借地の場合は『借地上の建物の登記』が対抗要件、という対比も大事です。
建物の賃借人は、賃借権の登記がなければ、建物の譲受人に賃借権を対抗することができない。
相手とグルになって財産を隠すための「ウソの売買」(通謀虚偽表示)は、当事者の間では無効です。でも、その事情を知らずに(善意で)その不動産を買った第三者には、無効を主張できません。ポイントは、詐欺の第三者と違って『無過失』までは要求されないこと。善意でさえあれば、過失があっても第三者は守られます。
通謀虚偽表示による売買の無効は、善意であっても過失のある第三者には対抗できる。
代理権のない人が勝手に結んだ契約(無権代理)は、本人が追認しない限り本人に効力が生じません。相手方の武器は2つ。①催告:本人に「追認するの?」と確認でき、確答がなければ追認拒絶とみなされます(悪意でも可)。②取消し:本人の追認前なら契約を取り消せます(こちらは善意の相手方だけ)。
無権代理の相手方は、契約時に代理権がないことを知っていた場合でも、本人に対して催告することができる。
時効の進行への対抗手段は2段階。①完成猶予=時効の完成を一時ストップ(裁判上の請求中、催告から6ヶ月など)。②更新=カウントがゼロに戻る(判決確定、債務の承認など)。内容証明郵便などの「催告」は6ヶ月の完成猶予だけで、再度の催告に効果はありません。債務者が一部弁済すると「承認」として時効が更新されます。
催告によって時効の完成が猶予されている間に再び催告をすれば、さらに6ヶ月間時効の完成が猶予される。
相手が債務を履行してくれないとき、原則は『相当の期間を定めて催告→それでもダメなら解除』です(催告解除)。例外として、履行が不能になった場合や、債務者が履行拒絶の意思を明確に示した場合などは、催告なしで直ちに解除できます(無催告解除)。なお、債務不履行が軽微なときは催告しても解除できません。
債務の全部の履行が不能である場合、債権者は催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
お互いに債権を持ち合っているとき、対当額で帳消しにできるのが相殺です。条件は、自分の債権(自働債権)の弁済期が来ていること。自分の借金(受働債権)の期限が来ていなくても、期限の利益を放棄すれば相殺できます。重要な例外:悪意による不法行為でケガをさせた加害者は、被害者への損害賠償債務を相殺で消すことはできません(被害者からの相殺はOK)。
悪意による不法行為に基づく損害賠償債務の債務者(加害者)は、被害者に対する貸金債権と相殺することができない。
土地と建物が同じ人の所有で、どちらか(または両方)に抵当権が設定され、競売の結果、土地と建物の所有者が別々になったとき、建物のために自動的に地上権が発生します。これが法定地上権。ポイントは『抵当権設定当時に建物が存在し、土地と建物が同一所有者』だったこと。更地に抵当権を設定した後で建物を建てても、法定地上権は成立しません。
更地に抵当権が設定された後、土地所有者がその土地上に建物を建築した場合、競売により土地と建物の所有者が異なれば法定地上権が成立する。
共有物の扱いは3段階で決まります。①保存行為(修繕など)=各共有者が単独でOK。②管理行為(賃貸借の解除、短期の賃貸、軽微な変更など)=持分価格の過半数で決定。③重大な変更・処分(建替え、売却など)=全員の同意が必要。自分の持分だけの譲渡は、他の共有者の同意なしに自由にできます。
共有物に形状又は効用の著しい変更を伴わない軽微な変更を加える行為は、各共有者の持分の価格の過半数で決することができる。
区分所有法の集会決議は数字の暗記が直結します。普通決議(管理者選任など)=区分所有者及び議決権の各過半数。規約の設定・変更・廃止=各4分の3以上。建替え決議=各5分の4以上。集会の招集は少なくとも年1回、招集通知は原則1週間前までです。
規約の変更は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によって行う。
敷金は『賃貸借が終了し、かつ、物件の明渡しが完了した時』に、未払賃料などを差し引いた残額を返してもらえます。つまり明渡しが先で、敷金返還はその後。「敷金を返してくれないなら明け渡さない」という同時履行の主張はできません。また、通常の使用による損耗や経年変化は、借主に原状回復義務がありません。
賃借人は、敷金の返還と建物の明渡しとの同時履行を主張することができる。
定期建物賃貸借は、期間が満了したら更新されずに終了する契約です。成立の条件は2つ。①公正証書などの書面(電磁的記録も可)で契約すること。②契約前に、貸主が「更新がなく期間満了で終了する」ことを書面を交付して説明すること。この事前説明を怠ると、『更新がない』という特約だけが無効になり、普通の借家契約になります。期間1年未満の定期建物賃貸借も有効です。
定期建物賃貸借契約は、期間を1年未満とすることはできない。
従業員が「事業の執行について」第三者に損害を与えた場合、会社(使用者)も損害賠償責任を負います。これが使用者責任。外形から見て職務の範囲内と見えれば「事業の執行について」に当たります。会社が賠償した場合、従業員への求償は信義則上相当な限度に制限されます。被害者は、従業員本人と会社のどちらにも全額請求できます。
使用者が被害者に損害を賠償した場合、使用者は被用者に対し、その全額を常に求償することができる。
法定相続分:配偶者と子なら1/2ずつ。配偶者と直系尊属(親)なら配偶者2/3・親1/3。配偶者と兄弟姉妹なら配偶者3/4・兄弟1/4。遺留分(遺言でも奪えない最低保障)は原則として相続財産の1/2(直系尊属のみが相続人の場合は1/3)。そして兄弟姉妹に遺留分はありません。
被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合、その兄弟姉妹には遺留分がない。
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