統計・市場データ 読了 25分

「40.7%」は設計の数字です——建設住宅性能評価まで取った住宅は27.9%、差は90,683戸あります

「新築住宅の4割が住宅性能評価を受けている」という言い方が出てきます。数字は本当です。ただし40.7%は設計住宅性能評価書の割合で、施工段階と完成段階の検査を経た建設住宅性能評価書まで取った住宅は198,584戸、着工戸数に対しては27.9%です。差は90,683戸あります。そして仲介・管理の実務で効くのは、設計ではなく建設のほうです。弁護士会の紛争処理を1万円で使えるのは、建設住宅性能評価書が交付された住宅だからです。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
住宅性能表示制度 令和7年度|設計40.7%・建設27.9%
目次

「設計住宅性能評価書を交付した住宅戸数は制度開始後、過去最多」——国土交通省が令和8年7月17日に、令和7年度の住宅性能表示制度の実施状況を公表しました。設計住宅性能評価書は289,267戸、新設住宅着工戸数に対する割合は40.7%で、10年連続の増加です。数字は資料のとおりです。ただ、同じ資料にもう1つの数字が並んでいます。施工段階と完成段階の検査を経た建設住宅性能評価書(新築)は198,584戸。差は90,683戸です。そして、仲介と管理の実務で効くのは、設計ではなく建設のほうです。

7月17日に出たのは「評価書の交付実績」です

公表したのは国土交通省住宅局住宅生産課です。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(以下、品確法)にもとづき、登録住宅性能評価機関が令和7年度に交付した住宅性能評価書の実績を集計したものです。

ここで押さえておくべきことが1つあります。この統計が数えているのは、住宅の数ではなく「評価書を交付した戸数」です。設計住宅性能評価は着工前の図書審査で、建設住宅性能評価は施工段階と完成段階の検査を経て交付されます。したがって同じ1戸が、設計の年度と建設の年度で別々に数えられます。あとで書きますが、これは都道府県別の数字の読み方に効いてきます。

制度が本格的に運用を始めたのは平成12年10月です。設計住宅性能評価書の交付実績は平成13年度から集計されています。その年度の交付は61,671戸、新設住宅着工戸数に対する割合は5.3%でした。

【要点】3つの数字と、3つの読み違え

数字中身やりがちな読み違え
40.7%令和7年度の設計住宅性能評価書289,267戸が、新設住宅着工戸数711,171戸に占める割合「4割の住宅が性能評価を受けた」ではありません。図書審査までです。検査を経た建設住宅性能評価書は27.9%です
90,683戸設計289,267戸と建設198,584戸の差(本稿の引き算)設計評価だけで止まった住宅が毎年これだけあります。紛争処理も、完成後の売買のみなし規定も、この9万戸には及びません
139戸既存住宅の建設住宅性能評価書の令和7年度の交付(前年比19.2%減)「中古住宅も性能評価を受けられる」制度はありますが、実績はこの規模です。使われている前提で話を進めると外します

この3つを押さえておけば、社内でこの報道を共有するときに事故が起きません。とくに1つめは、資料の見出しが「設計住宅性能評価書」と正確に書いているのに、伝言のあいだに「設計」が落ちがちです。

令和7年度の数字を、そのまま並べます

区分令和7年度の交付対前年比制度実施後の累計(交付)
設計住宅性能評価書289,267戸3.7%増5,213,273戸(本稿の集計)
建設住宅性能評価書(新築)198,584戸3.9%増3,988,111戸
建設住宅性能評価書(既存)139戸19.2%7,829戸
(参考)新設住宅着工戸数711,171戸12.9%減(本稿の計算)

設計の累計は、公表資料の参考資料に載っている平成13年度から令和7年度までの25年分を本稿が合計した数字です。資料に合計欄はありません。建設と既存の累計は、別添2・別添4に「制度実施後の累計」として載っている数字をそのまま引いています。

建設住宅性能評価書の累計が約399万戸ある、というのが本稿でいちばん実務に近い数字です。この399万戸が、あとで書く弁護士会の紛争処理を使える住宅のストックです。

設計と建設のあいだに、90,683戸の差があります

令和7年度の設計は289,267戸、建設(新築)は198,584戸です。引くと90,683戸。建設が設計に対して何%かを計算すると68.7%になります。つまり設計評価を受けた住宅の3割強は、建設評価まで進んでいません。

ここに戸建てと共同住宅等の違いが出ます。別添3の全国計から計算すると、次のとおりです。

区分設計(戸)建設(戸)建設÷設計(本稿の計算)
一戸建ての住宅139,38383,75060.1%
共同住宅等149,884114,83476.6%
合計289,267198,58468.7%

戸建てのほうが、設計だけで止まる割合が高くなっています。資料はその理由を書いていません。本稿も推測を書きません。ただ、設計評価と建設評価では現場に入る検査の回数が違い、費用も工程も別に乗る、という事実は制度ガイドに書かれています。3階建て以下の住宅では、登録住宅性能評価機関は原則として4回現場に立ち入って検査します。4階建て以上では階数に応じて回数が増えます。

注意点が1つあります。設計と建設は年度がずれるので、同じ年度の設計と建設を割った数字は、追跡率ではありません。あくまで「その年度に何がどれだけ交付されたか」の比です。次章の都道府県別で、この点がはっきり出ます。

割合が6.5ポイント上がった理由は、半分以上が分母の話です

設計の交付割合は令和6年度の34.2%から令和7年度の40.7%へ、6.5ポイント上がりました。10年連続の増加です。ただし、その中身を分けておかないと社内で誤解が広がります。

年度設計の交付(A)新設住宅着工戸数(B)割合(A/B)
平成13年度61,671戸1,173,170戸5.3%
平成28年度226,997戸974,137戸23.3%
令和5年度262,564戸800,226戸32.8%
令和6年度279,010戸816,388戸34.2%
令和7年度289,267戸711,171戸40.7%

令和7年度の新設住宅着工戸数は、前年度から12.9%減りました。参考資料に載っている平成13年度以降の25年間で、この711,171戸が最も少ない値です。

仮に着工戸数が令和6年度と同じ816,388戸だったとすると、289,267戸の割合は35.4%にとどまります。実際の40.7%との差、約5.3ポイントは分母が減ったことによるもので、分子が増えたことによる上昇は約1.2ポイントです。いずれも本稿の計算で、資料にこの分解は載っていません。

「性能評価が急に普及した」という言い方は、この6.5ポイントについては正確ではありません。普及は進んでいますが、去年より進んだ幅は1.2ポイント相当です。社内共有では「割合は上がったが、着工が1割以上減ったことが大きい」と添えてください。

既存住宅の評価は、令和7年度に139戸でした

報道発表の本文には3行しかありませんが、都道府県別と月別は別添にしかありません。既存住宅の建設住宅性能評価の推移は、別添4に載っています。

年度受付(戸)交付(戸)うち一戸建て(交付)うち共同住宅等(交付)
令和6年度17817210963
令和7年度20813911128
制度実施後の累計7,8937,8292,9954,834

ここに1つ、資料が説明していないことがあります。受付は178件から208件へ16.9%増えているのに、交付は172戸から139戸へ19.2%減っています。減ったのは共同住宅等で、交付は63戸から28戸になりました。資料は理由を書いていません。本稿も推測を書きません。受付と交付は年度をまたぐので、令和7年9月に共同住宅等の受付が50戸あったことが、翌年度の交付に出てくる可能性はあります。それは資料に書いていないので、可能性としてだけ書いておきます。

実務上の要点は規模です。建設住宅性能評価書の累計が約399万戸あるのに対して、既存住宅は7,829戸。比率にすると0.2%です。中古の売買で「既存住宅の建設住宅性能評価書」を見る機会は、まずありません。見かけたら、それは珍しい物件です。

都道府県で見ると、設計と建設の開き方がそろっていません

別添3から、設計と建設の交付戸数(合計欄)を都道府県ごとに割ってみました。以下はすべて本稿の計算です。

都道府県設計(戸)建設(戸)建設÷設計
長崎県1,3771,528111.0%
神奈川県29,09625,02086.0%
沖縄県1,8231,50782.7%
全国289,267198,58468.7%
島根県47312526.4%
山形県1,20430325.2%
岩手県2,09149023.4%

長崎県は、建設の交付が設計の交付を上回っている唯一の県です。これは前章に書いたとおり、設計と建設は同じ住宅でも年度がずれることの現れです。前年度までに設計評価を受けた共同住宅が、令和7年度に完成して建設評価を受ければ、この形になります。だから「長崎県は追跡率が100%を超えている」とは読めません。比を追跡率として使えないことの、いちばん分かりやすい証拠です。

いちばん低い岩手県は、設計2,091戸に対して建設490戸です。資料は理由を書いていません。ただ、県ごとにこれだけ開き方が違うということは、営業エリアの外の相場感を持ち込むと外すということです。自社の県の数字を見てください。

評価書は3種類あります

制度ガイドの整理をそのまま引きます。実務では、この3つを言い分けられるかどうかで話の精度が変わります。

種類何を見て出すか令和7年度の交付
設計住宅性能評価書設計段階の図書審査289,267戸
建設住宅性能評価書(新築)施工段階と完成段階の検査198,584戸
建設住宅性能評価書(既存)既存住宅の現況検査139戸

設計住宅性能評価書は、図面の評価です

図面どおりに建てられたかどうかは、この評価書では分かりません。設計段階で予測できる範囲のものです。制度ガイドも「表示される等級や数値などは設計段階で予測できる範囲内のもの」と書いています。なお、室内空気中の化学物質の濃度は設計段階の評価が難しいため、完成段階のみの表示対象です。

建設住宅性能評価書は、検査を経たものです

登録住宅性能評価機関が、工事の記録書類と目視等による実物の検査を併用して確認します。紛争処理も、完成後の売買のみなし規定も、こちらが起点です。

既存住宅の建設住宅性能評価書は、現況検査です

新築の建設住宅性能評価書と名前は同じですが、見ているのはその時点の現況です。令和7年度の交付は139戸、累計7,829戸で、実務で出会う頻度はきわめて低い書面です。

契約に効くのは、品確法第6条の「みなす」です

評価書は「よい住宅であることの証明書」ではありません。契約の中身になる書面です。品確法第6条は、次のように定めています。

第6条の3つの場面

条項誰が何を添付・交付するとどうなるか
第6条第1項建設工事の請負人設計住宅性能評価書またはその写しを請負契約書に添付、または注文者に交付その性能を有する住宅の建設工事を行うことを契約したものとみなす
第6条第2項完成に新築住宅の売買契約をした売主設計住宅性能評価書またはその写しを売買契約書に添付、または買主に交付その性能を有する新築住宅を引き渡すことを契約したものとみなす
第6条第3項完成に新築住宅の売買契約をした売主建設住宅性能評価書またはその写しを売買契約書に添付、または買主に交付その性能を有する新築住宅を引き渡すことを契約したものとみなす

完成後の売買では、設計だけでは足りません

第6条第3項が求めているのは、設計住宅性能評価書ではなく建設住宅性能評価書です。完成後の新築住宅を売る場面で、設計住宅性能評価書だけを添付しても、この項のみなしは働きません。建売の完成物件を扱うなら、ここが分かれ目です。そして前章のとおり、設計だけで止まっている住宅が令和7年度に90,683戸あります。

なお、品確法第2条第2項は「新築住宅」を、新たに建設された住宅でまだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く)と定義しています。完成から1年を過ぎると、この定義から外れます。

ただし第6条第4項があります

第6条には第4項があります。「前三項の規定は、請負人又は売主が、請負契約書又は売買契約書において反対の意思を表示しているときは、適用しない」という規定です。

評価書を添付しても、契約書に「評価書の内容は契約内容としない」と書いてあれば、みなし規定は働きません。制度ガイドも「ただし、契約書面で、契約内容としないことを明記した場合はこの限りではありません」と書いています。

実務では、評価書があることを確認して終わりにせず、契約書にその趣旨の条項が入っていないかを見てください。買主側に立つときは、ここを読まずに「評価書があるから安心です」と説明すると、あとで違う話になります。

弁護士会の紛争処理を、1万円で使えます

建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する指定住宅紛争処理機関に紛争処理を申請することができます。指定住宅紛争処理機関は各地の単位弁護士会で、国土交通省の案内では全国52会です。品確法の第六章第一節(第66条から第81条まで)が指定住宅紛争処理機関、第二節(第82条から第93条まで)が住宅紛争処理支援センターの規定です。

実務で効くのは、扱える範囲です。建設住宅性能評価書が交付された住宅の紛争であれば、評価書の記載内容だけでなく、請負契約・売買契約に関する当事者間のすべての紛争を扱います。制度ガイドにそう書かれています。等級の話に限りません。

手数料は1件あたり1万円です。根拠は品確法施行規則第114条第2項で、国土交通省が公表している算出根拠では、人件費9,224円と物件費1,320円の合計10,544円を超えない額として1万円が設定されています。

399万戸のストックに対して、この入口は開いています。管理受託や仲介で「評価書はありますか」と聞く価値は、ここにあります。ただし、これは建設住宅性能評価書の話です。設計住宅性能評価書しかない90,683戸には及びません。

検査済証がない住宅は、建設住宅性能評価書を受けられません

制度ガイドに、実務でよく効く一文があります。建築基準法で定める基準を下回る住宅には住宅性能評価書を交付できず、工事の完了時に検査済証の交付を受けることが義務付けられている住宅でありながら交付を受けていないものは、建設住宅性能評価書の交付を受けることができません。

つまり、建設住宅性能評価書があるということは、検査済証があるということです。逆に、検査済証がない物件について「あとから建設住宅性能評価を受ければよい」という道はありません。調査の順番としては、検査済証が先です。

必須は4分野10項目。残りは選択です

日本住宅性能表示基準の性能表示事項は35項目(新築住宅については33項目)で、10の分野に区分されています。このうち必須は4分野10項目です。

分野必須か
構造の安定に関すること必須
劣化の軽減に関すること必須
維持管理・更新への配慮に関すること必須
温熱環境・エネルギー消費量に関すること必須
火災時の安全/空気環境/光・視環境/音環境/高齢者等への配慮/防犯選択

選択項目は、申請のときに受けるかどうかを自由に決められます。だから「性能評価を受けています」と言われても、音環境や防犯まで評価されているとは限りません。評価書のどの項目が入っているかを見てください。

温熱環境については、令和4年10月から断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級の両方の評価取得が必須になっています。さらに令和7年9月1日に公布された告示改正で一次エネルギー消費量等級の等級7・等級8が創設され、令和7年12月1日に施行されました。令和7年12月より前の評価書には、等級7・8はありません。古い評価書と新しい評価書を並べて等級だけで比べると、この点で外します。

長期優良住宅の認定とは、別の制度です

住宅性能表示制度と長期優良住宅の認定は、別の法律にもとづく別の制度です。混ぜて話すと、社内でも顧客との間でも噛み合わなくなります。

ただし接点はあります。品確法第6条の二は、長期優良住宅の認定申請をする者が、あらかじめ登録住宅性能評価機関に対して、その住宅の構造及び設備が長期使用構造等であることの確認を求めることができると定めています。同条第2項は、この求めを住宅性能評価の申請と併せてすることができるとしています。窓口としては重なりますが、認定と評価は別々に出る書面です。

実務では「長期優良住宅の認定通知書」と「住宅性能評価書」を、別のものとして確認してください。片方があるからもう片方もある、ということはありません。

仲介・管理の段取りに落とすと、増えるのは3か所です

受託・媒介契約のとき

ヒアリング項目に「住宅性能評価書はありますか。設計ですか、建設ですか」を足してください。「性能評価あり」だけでは、あとで第6条第3項の場面に使えません。種類まで聞き取ります。建設住宅性能評価書があるなら、検査済証もあるはずです(前章のとおり)。

契約書を作る・読むとき

評価書またはその写しを契約書に添付するのか、別に交付するのかを決めます。そのうえで第6条第4項の「反対の意思」に当たる条項が入っていないかを読みます。売主側で意図して外すなら、その旨を社内で共有してください。意図せず定型文で入っていた、というのが一番まずい形です。

引渡し・入居後のとき

建設住宅性能評価書がある住宅なら、不具合が出たときに弁護士会の紛争処理を1件1万円で申し立てられることを、引渡し時の案内に1行入れておきます。裁判より先に使える入口があることを知らないまま、こじれる例があります。

やりがちな誤解4つ

誤解実際
「新築の4割が性能評価を受けている」40.7%は設計の割合です。検査を経た建設は、着工戸数に対して27.9%(本稿の計算)です
「評価書があれば契約内容になる」第6条第4項があります。契約書で反対の意思が表示されていれば、みなし規定は働きません
「等級が高いほどよい住宅」制度ガイドは「性能の高いことが直ちにどの居住者にとっても最適なものになるとは限らない」と書いています。等級は比較のための共通ルールです
「中古でも性能評価を取ればよい」既存住宅の建設住宅性能評価は令和7年度139戸、累計7,829戸です。制度はありますが、これが実績の規模です

今日からできる3つの準備

1つめ。自社の県の数字を見てください。別添3に都道府県別の設計・建設の交付戸数が載っています。全国の68.7%という比は、県によって23.4%から111.0%まで開いています。

2つめ。ヒアリング項目を1行足してください。「住宅性能評価書の有無」ではなく「設計か建設か」を聞く形にします。この1行で、第6条第3項と紛争処理の可否が分かれます。

3つめ。自社の契約書ひな形を読み直してください。第6条第4項に当たる条項が入っているかどうかを、いま確認しておきます。あとで探すより、いま探すほうが早く済みます。

よくある質問

Q. 設計住宅性能評価書しかない物件では、弁護士会の紛争処理は使えませんか。
A. 制度ガイドは「建設住宅性能評価書が交付された住宅については」申請することができる、と書いています。設計住宅性能評価書だけの場合について本稿は確かめていませんので、個別には指定住宅紛争処理機関にご確認ください。

Q. 40.7%と27.9%は、どちらが正しい数字ですか。
A. どちらも正しく、数えているものが違います。40.7%は資料に載っている設計の交付割合です。27.9%は、資料の建設198,584戸を着工戸数711,171戸で割った本稿の計算で、資料には載っていません。

Q. 既存住宅の評価が139戸まで減ったのは、制度が使いにくいからですか。
A. 資料は理由を書いていません。受付は178件から208件へ増えているので、単純に申込みが減ったわけではありません。本稿は理由を書きません。

Q. 紛争処理の1万円は、申立人が払うのですか。
A. 公表資料は「住宅紛争処理の申請手数料」1万円と、その積算根拠を示しているだけです。負担者や還付の取扱いを本稿は確かめていません。申請先にご確認ください。

出典

本文で使った内容資料
令和7年度の交付実績(設計289,267戸・建設198,584戸・既存139戸)、40.7%、10年連続増加、評価書の3種類国土交通省「設計住宅性能評価書を交付した住宅戸数は制度開始後、過去最多!~令和7年度の住宅性能表示制度の実施状況について~」(令和8年7月17日)
建設住宅性能評価書の月別・年度別の推移、制度実施後の累計3,988,111戸別添2 建設住宅性能評価書交付実績の推移
都道府県別の設計・建設の交付戸数(長崎県・岩手県ほか)別添3 都道府県別住宅性能評価書交付状況
既存住宅の受付208件・交付139戸、累計7,829戸別添4 建設住宅性能評価書(既存住宅)交付実績の推移
年度ごとの設計交付戸数と新設住宅着工戸数(平成13年度〜令和7年度)参考資料 年度毎の設計住宅性能評価書交付戸数と新設住宅着工戸数の比較
みなし規定の説明、指定住宅紛争処理機関、必須4分野10項目、検査回数、検査済証国土交通省「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」(令和7年12月1日施行版)
紛争処理の申請手数料1万円と積算根拠(品確法施行規則第114条第2項)国土交通省「指定住宅紛争処理機関 料金(住宅紛争処理の申請手数料)と積算根拠」
指定住宅紛争処理機関は全国52会の弁護士会、告示の改正経過国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(最終更新 令和8年3月24日)

書かなかったこと

評価料金の相場を書いていません。制度ガイドは「登録住宅性能評価機関では、評価料金を独自に設定しています」と書いており、公表資料に相場はありません。金額を推測で書くと、それが独り歩きします。

罰則の条番号を書いていません。品確法第九章が罰則(第101条から第108条まで)であることは目次で確かめましたが、個々の条番号と法定刑は本稿では確かめていません。

既存住宅の交付が減った理由を書いていません。資料に理由の記載はなく、受付は増えています。確かめていないことは、確かめていないと書きます。

住宅瑕疵担保責任との関係を詳しく書いていません。品確法第七章が瑕疵担保責任(第94条から第97条まで)であることは目次で確かめましたが、性能評価書の有無との関係を本稿は整理していません。別の稿で扱います。

最後に、この公表を一行にしておきます。図面の評価は4割まで来た。けれど、検査を経た評価書は3割に届いていない。そして、契約と紛争処理で効くのは検査を経たほうです。「性能評価はありますか」ではなく「設計ですか、建設ですか」と聞けるかどうか。差はそこに出ます。

本稿は国土交通省の公表資料と法令にもとづく一般的な整理であり、個別の契約の効力や紛争処理の可否を判断するものではありません。実際の判断は、登録住宅性能評価機関・指定住宅紛争処理機関および専門家への確認によってください。賃貸管理と売買仲介の実務はウルスタのコラムで書いています。

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