賃貸管理・仲介の現場で判断に迷う場面を、法改正の期限、実務の手順、書式の作り方から整理しています。
特集付帯設備表と物件状況確認書は、契約書の後ろに付く添付書類として扱われがちです。ですがこの2枚が決めているのは「壊れたときに誰が払うか」です。売買は民法562条、賃貸は611条1項。日管協のガイドラインは2024年10月に改定されました。書き分けの実務を整理します。
記事を読む →
入居申込書には決まった様式がありません。だから会社ごとに抜けが出ます。申込金の返還を拒むと宅建業法違反になること、2026年6月14日から始まった特定在留カードで券面の何が変わって何が変わらないか、保証会社とオーナーへ渡すための同意欄に何を書くか。条文と公表資料にあたって整理しました。

令和8年度の地域別最低賃金は、47都道府県の答申が9月3日に出そろいました。全国加重平均1,177円、引上げ額は54円から65円、最高は東京1,280円、最低は宮崎1,085円。発効日は10月1日が15都道府県、残りは10月2日から12月2日にかけて順次です。業務改善助成金の申請期限は「発効日の前日」なので、10月1日発効の県は9月30日が締切。一覧表と換算式、9月中にやることを書きました。

「疑わしい取引の届出をすると契約できないのでは」「契約に至らなかったから届出しなくていい」。この2つの読み方が現場に広がっていたため、国交省は2026年9月3日に「解釈」を出しました。届出をした上で契約してよく、自社判断で断った案件でも届出する。宅建業者の届出は令和7年度325件が、令和8年度は第1四半期だけで204件。10月目処のチェックリスト改訂案は44事例です。

賃料査定システムの主要3サービスを、公式サイトに書かれていることだけで並べました。料金を公開しているのはスマサテだけで、SREは金額の記載がありません。オーナー提案AIロボⅡは売買査定も含めて「月1万円〜使い放題」。各社が出すMER(誤差率)は測定条件が公開されておらず、1.4%と1.04%を並べて優劣は語れません。実務で差が出るのは、査定額そのものではなく、そのあとオーナーに渡す資料の形です。

8月21日に全国7月分、8月28日に東京都区部8月分の消費者物価指数が公表されました。この月から2025年基準です。民営家賃の前年同月比は、全国0.7%、東京都区部2.0%。総合はどちらも1.9%です。全国では家賃が物価全体の3分の1しか上がっていないのに、設備修繕・維持は4.1%上がっています。オーナーの収支は、家賃より先に修繕費で痩せます。賃料改定の根拠として、どの数字を、どの順番で見せるかをまとめます。

令和8年9月1日、国土交通省が第5回 地域価値を共創する不動産業アワードの募集要領を公表しました。国土交通大臣賞の新設が見出しになっていますが、中小不動産会社にとって効くのはそこではありません。第4回の要領にあった「①応募希望者自らによる応募」が、第5回では消えています。残っているのは推薦による3経路だけです。募集開始は10月1日ですが、推薦者への相談は、その前から始めないと間に合いません。

制度改正・統計の記事を1か所に集めた索引です。施行日のあるもの/税とお金/賃貸管理の現場、の順に並べています。自社の書面と業務フローに触れるものだけを先に拾ってください。

同じ日に、同じ課から、同じ登記データを元にした2本の指数が出ました。個人が買った中古住宅は125.0、法人が買った既存建物は269.0。基準はどちらも2010年平均=100です。16年で個人は1.25倍、法人は2.69倍。戸建にいたっては個人1.25倍に対して法人3.55倍です。そしてもう一つ。先月「前月比1.3%減」と公表された4月の数字は、今回の資料の中で「0.6%減」に書き換わっています。

「新築住宅の4割が住宅性能評価を受けている」という言い方が出てきます。数字は本当です。ただし40.7%は設計住宅性能評価書の割合で、施工段階と完成段階の検査を経た建設住宅性能評価書まで取った住宅は198,584戸、着工戸数に対しては27.9%です。差は90,683戸あります。そして仲介・管理の実務で効くのは、設計ではなく建設のほうです。弁護士会の紛争処理を1万円で使えるのは、建設住宅性能評価書が交付された住宅だからです。

「7月の住宅着工は8.2%増」という見出しが出ます。数字は本当です。ただし貸家で見ると、戸数は10.0%増なのに投資額は19.2%増。差は1戸あたりの工事費予定額が1,401万円から1,517万円へ8.3%上がった分です。同じ発表資料には「季節調整済年率換算値では前月比1.6%の減少」とも書いてあります。増えているのか減っているのか——数えているものが違うだけです。

「新築戸建ての約5割が長期優良住宅」という見出しが出ました。数字は本当です。ただし約5割なのは一戸建てだけで、共同住宅等は2.4%、総戸数では23.2%です。そして同じ資料の別添には、令和4年10月に始まった「建築行為を伴わない既存住宅」の認定が、4年弱で全国311戸しかないことが載っています。富山・石川・大分・沖縄の4県はゼロです。累計190万戸の長期優良住宅が、これから中古市場に出てきます。そのとき仲介が見るのは認定通知書と、法第10条の承継、法第11条の記録です。

令和8年8月28日、国土交通省が令和7年度末の建設関連業の登録業者数を公表しました。測量業は10,924業者で、平成15年度末の14,750業者をピークに22年連続の減少です。ただしこの統計が数えているのは国土交通大臣の登録を受けた業者だけで、宅地1筆の境界確定測量は、測量法施行令が「局地的測量」として法の対象から外している場合があります。数字の範囲を確かめたうえで、発注前に何を見るか、登録が消除されたときに契約はどうなるかまでを整理します。