統計・市場データ 読了 27分

測量業者は22年連続で減って10,924業者——ただしこの数字は「境界を測れる会社の数」ではありません

令和8年8月28日、国土交通省が令和7年度末の建設関連業の登録業者数を公表しました。測量業は10,924業者で、平成15年度末の14,750業者をピークに22年連続の減少です。ただしこの統計が数えているのは国土交通大臣の登録を受けた業者だけで、宅地1筆の境界確定測量は、測量法施行令が「局地的測量」として法の対象から外している場合があります。数字の範囲を確かめたうえで、発注前に何を見るか、登録が消除されたときに契約はどうなるかまでを整理します。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
測量業者10,924業者・22年連続減|令和7年度末の登録状況
目次

測量業の登録業者が、22年続けて減りました。国土交通省が令和8年8月28日に公表した「建設関連業 登録業者数調査(令和7年度)」で、令和7年度末の測量業は10,924業者。前年度末から216業者、1.9%の減少です。ただ、この見出しをそのまま「土地を測れる会社が減っている」と読むと、実務では外します。この統計が数えているものは、思っているより狭い範囲です。本稿は数字を追ったうえで、測量法と施行令の条文まで戻り、発注する側が何を見ればよいのかを書きます。

8月28日に出たのは「国土交通大臣登録」の業者数です

公表したのは国土交通省 不動産・建設経済局 建設振興課 専門工事業・建設関連業振興室です。毎年度末(3月31日)現在で、測量法、建設コンサルタント登録規程、地質調査業者登録規程にもとづき国土交通大臣の登録を受けている業者の数を集計しています。

集計が始まった時期も資料に書かれています。測量業は昭和36年11月から、建設コンサルタントは昭和39年4月から、地質調査業は昭和52年10月からです。つまり測量業については、65年分の連続した数字が1枚の表に載っています。行政の統計としてはかなり長い部類です。

【要点】3つの数字と、3つの読み違え

数字中身やりがちな読み違え
10,924業者令和7年度末の測量業の登録業者数。ピーク(平成15年度末14,750業者)から3,826業者、25.9%減「測量できる会社が4分の3に減った」ではありません。数えているのは大臣登録の測量業者だけです
487業者1年間に登録が消除された測量業者。うち275業者は「更新切れ」、212業者が廃業等の届出「487社が廃業した」ではありません。更新切れは、事業をやめたとは限りません
73.2%測量業の登録業者のうち、測量業だけを登録している専業の割合。19.0%は建設コンサルタントも登録「測量会社」と「建設コンサル」は、別の会社とは限りません

この3つを押さえておけば、社内でこの報道を共有するときに事故が起きません。とくに2つめは、そのまま「地元の測量会社が次々つぶれている」という話になりがちですが、資料はそこまで言っていません。

令和7年度末の数字を、そのまま並べます

区分測量業建設コンサルタント地質調査業
令和7年度末10,924業者3,917業者1,229業者
前年度末11,140業者3,930業者1,221業者
増減216業者減(1.9%減)13業者減(0.3%減)8業者増(0.7%増)
新規登録271業者102業者36業者
登録消除487業者115業者28業者
 うち廃業等の届出212業者95業者24業者
 うち更新切れ275業者20業者4業者
ピーク平成15年度末 14,750業者平成17年度末 4,214業者平成17年度末 1,390業者
ピーク比3,826業者減(25.9%減)297業者減(7.0%減)161業者減(11.6%減)

報道発表の見出しは「測量業は22年連続減少、建設コンサルタント、地質調査業は横ばい」です。横ばいという表現は資料の側の言い方で、実際に建設コンサルタントは0.3%減、地質調査業は0.7%増です。地質調査業は今年度、増えています。

減り方は、この数年で速くなっています

測量業の対前年度増減率を並べると、令和元年度▲0.8%、令和2年度▲0.7%、令和3年度▲0.5%、令和4年度▲0.9%、令和5年度▲1.4%、令和6年度▲1.5%、そして令和7年度が▲1.9%です。令和3年度の▲0.5%を底に、4年続けて減り幅が広がっています。平成28年度から令和3年度あたりは年0.3〜0.7%の緩やかな減少でしたから、局面が変わったようには見えます。

ただし本稿は、この加速の原因を書きません。資料は業者数を数えているだけで、理由の分析は載っていません。後継者不足なのか、公共測量の発注量の変化なのか、更新手続の運用が変わったのか、資料からは分かりません。

消除487業者のうち275業者は「更新切れ」です

ここが本稿でいちばん実務に効く数字です。測量業の登録の有効期間は5年です(測量法第55条第2項)。引き続き営業するには更新の登録が必要で(同条第3項)、更新しないまま期間が満了すれば登録は消除されます。

令和7年度に消除された487業者のうち、廃業等の届出は212業者、更新切れが275業者消除の6割近くが、届出ではなく更新切れです。建設コンサルタントは115業者中20業者、地質調査業は28業者中4業者ですから、更新切れの比率が高いのは測量業の特徴です。

更新切れが何を意味するかは、資料には書かれていません。事実上の廃業を届け出ずに放置した場合もあれば、大臣登録が必要な仕事から離れて更新しなかった場合も考えられます。本稿はどちらが多いかを推測しません。ただ、発注する側にとって重要なのは理由ではなく、「取引先の登録は、5年ごとに切れる可能性がある」という事実のほうです。

測量法が言う「測量業」は、思っているより狭い

ここを飛ばすと、この統計を必ず読み違えます。測量法の定義を条文どおりに置きます。

  • 第10条の2:「測量業」とは、基本測量、公共測量又は基本測量及び公共測量以外の測量を請け負う営業をいう。
  • 第4条:「基本測量」とは、すべての測量の基礎となる測量で、国土地理院の行うもの
  • 第5条:「公共測量」とは、基本測量以外の測量で、費用の全部又は一部を国又は公共団体が負担・補助して実施するもの等。ただし「建物に関する測量その他の局地的測量又は小縮尺図の調製その他の高度の精度を必要としない測量で政令で定めるもの」を除く。
  • 第6条:「基本測量及び公共測量以外の測量」とは、基本測量又は公共測量の測量成果を使用して実施する基本測量及び公共測量以外の測量(同じく政令で定める局地的測量等を除く)。

第6条には「基本測量又は公共測量の測量成果を使用して実施する」という限定が入っています。民間の測量なら何でも入る、という条文ではありません。そのうえ、第5条と第6条の両方から、政令が定める局地的測量が除かれます。

政令が法の外に出している測量

その政令が測量法施行令第1条です。除かれるものが列挙されています。要点だけ引きます。

除かれるもの
第1号建物に関する測量
第2号百万分の一未満の小縮尺図の調製
第3号横断面測量
第4号ロ路線の長さが6キロメートル(北海道は10キロメートル)未満であり、かつ基本測量又は公共測量によつて設けられた三角点、図根点又は多角点を2点以上使用しない多角測量
第4号ニ面積が7平方キロメートル(北海道は10平方キロメートル)未満であり、かつ同じく既設点を2点以上使用しない地形測量又は平面測量
第5号ロ多角測量で、座標の閉合比の誤差の許容限度が1,000分の1を超えるもの

第4号と第5号には、いずれも「既に実施された公共測量又は基本測量及び公共測量以外の測量に追加して、又は当該測量を修正するために行なわれる測量を除く」というただし書きが付いています。

この条文が実務に意味すること

宅地1筆の境界確定測量を思い浮かべてください。面積は7平方キロメートルよりはるかに小さく、路線長も6キロメートルには届きません。そのうえで基本測量や公共測量で設けられた三角点・図根点・多角点を2点以上使わないのであれば、施行令第1条第4号に当たり、測量法の「測量」から外れます。

つまり、宅地1筆の測量を請け負う事業者に、測量法の登録が必ず必要とは限りません。逆に、街区基準点など公共測量の成果を2点以上使って測るのであれば、規模が小さくても第6条の測量に当たり得ます。本稿は、どの案件がどちらに当たるかを判定しません。それは実際に使った基準点と誤差の許容限度を見なければ決まらないからです。

ここまで確認したうえで、冒頭の話に戻ります。10,924という数字は、大臣登録の測量業者の数です。境界確定測量を手がける事務所のうち、この統計に載っている先も載っていない先もあります。「測量業者が減った」と「測量を頼める先が減った」は、同じ文ではありません。

測量業と建設コンサルタントは、同じ会社であることが多い

資料には兼業の表があります。ここは業界の構造がよく見えます。

登録の組み合わせ測量業から見て建設コンサルタントから見て地質調査業から見て
その業種だけ7,991業者(73.2%)987業者(25.2%)305業者(24.8%)
測量業との2業種2,081業者(53.1%)75業者(6.1%)
建設コンサルタントとの2業種2,081業者(19.0%)72業者(5.9%)
3業種とも登録777業者(7.1%)777業者(19.8%)777業者(63.2%)

読み方を書きます。測量業は7割超が専業ですが、建設コンサルタントは専業が25.2%しかありません。資料は、測量業との2業種兼業と3業種兼業を足した2,858業者、建設コンサルタント全体の72.9%が測量業との兼業だと書いています。地質調査業にいたっては63.2%が3業種とも登録しています。

3業種すべてを登録している777業者は、前年度末の766業者から11業者増えています。全体は減っているのに、3業種を抱える会社は増えている。資料も「3業種とも登録している業者は増加している」と書いています。ただし、資料はその理由を書いていません。

9割が、個人か資本金5,000万円未満の会社です

資本金階層測量業構成比
個人926業者8.5%
1,000万円未満3,667業者33.6%
1,000万円以上2,000万円未満3,726業者34.1%
2,000万円以上5,000万円未満1,558業者14.3%
5,000万円以上1億円未満413業者3.8%
1億円以上294業者2.7%
その他(社団法人・財団法人・協同組合等)340業者3.1%

1,000万円台と1,000万円未満の2階層で67.7%、およそ7割です。個人と資本金5,000万円未満の法人を合わせると9,877業者、90.4%。資料は中小企業基本法の中小企業者の定義(建設関連業は資本金5,000万円以下、または常時雇用従業員100人以下)を注記しています。つまりこの業界は、統計上ほぼ全部が中小企業です。

ピーク時(平成15年度末)と比べると、減り方に偏りがあります。1,000万円以上2,000万円未満が2,223業者減、1,000万円未満が1,007業者減。いっぽう5,000万円以上1億円未満は21業者え、「その他」は150業者増えています。減っているのは、真ん中から下の帯です。

なお建設コンサルタントと地質調査業については、資料に「法人の場合、資本金500万円以上であることが登録要件の1つ」という注記があります。測量業にはこの注記がありません。

測量業は、すべての地域で減りました

都道府県別では、測量業は7県で増加、3県で同数、37都道府県で減少。地方整備局等の所管地域別で見ると、10地域すべてで減少しています。

区分上位5下位5
測量業東京都891(8.2%)、北海道775(7.1%)、福岡県567(5.2%)、神奈川県522(4.8%)、大阪府511(4.7%)。上位5で全体の30.0%鳥取県58(0.5%)、香川県66(0.6%)、佐賀県72(0.7%)、富山県87(0.8%)、福井県90(0.8%)
建設コンサルタント東京都674(17.2%)、北海道268(6.8%)、大阪府241(6.2%)、福岡県200(5.1%)、愛知県131(3.3%)。上位5で38.6%奈良県24(0.6%)、鳥取県29(0.7%)、佐賀県30(0.8%)、香川県31(0.8%)ほか
地質調査業東京都137(11.1%)、北海道91(7.4%)、大阪府56(4.6%)、福岡県50(4.1%)、神奈川県41(3.3%)。上位5で30.5%三重県8(0.7%)、栃木県9(0.7%)、香川県10(0.8%)ほか

測量業の東京都のシェアは8.2%で、建設コンサルタントの17.2%の半分以下です。測量業のほうが、地方に分散しています。建設コンサルタントは東京・北海道・大阪・福岡・愛知の5都道県で4割近くを占めます。

減り幅の大きい県も見ておきます。測量業は福島県▲6.2%、福井県▲6.3%、愛媛県▲5.2%、佐賀県▲5.3%、奈良県▲5.1%。地方整備局別では中部▲3.5%、東北▲3.3%が大きく、関東は▲1.4%です。全国平均の▲1.9%より、地方の減り幅のほうが大きい年でした。

発注の前に、契約書を見なくても確かめられること

数字の話はここまでにして、実務に移ります。測量法には、発注する側が使える条文がいくつかあります。

登録簿は、公衆の閲覧に供されています

測量法第55条の12は、国土交通大臣又は都道府県知事が、登録簿と登録申請書の添付書類等を公衆の閲覧に供さなければならないと定めています。大臣は、登録・変更登録をしたとき、その業者の営業所の所在する区域を管轄する都道府県知事に書類の写しを送付し、消除したときは知事に通知します。つまり、都道府県でも確認できる仕組みになっています。

標識は、店舗ごとに掲げる義務があります

第56条の5:測量業者は、その店舗ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。訪問したときに見えるところにあるはずのものです。掲げていない場合は10万円以下の過料の対象として条文に列挙されています。

営業所ごとに、測量士が1人以上必要です

第55条の13:測量業者は、その営業所ごとに測量士を1人以上置かなければならない。ただし第2項に例外があり、測量業者本人(法人ならいずれかの役員)が測量士であるときは、その者が自ら主として業務を行う営業所については適用されません。

実務での使いどころを書きます。「最寄りの営業所」で契約したつもりでも、そこが測量士のいない営業所である可能性は、条文上は残りません。営業所であれば測量士が要るからです。ただし第2項の例外があるので、実際に現場に出る人が誰かは、条文からは分かりません。そこは見積り時に聞くしかありません。

登録が消除されたら、30日以内に解除できます

これは知らないと損をする条文です。測量法第55条の11を読みます。

登録が消除された場合、その業者は消除される以前に締結された請負契約に係る測量を、引き続いて実施することができます(第55条の14の無登録営業の禁止にかかわらず、です)。そのうえで、登録を消除された後、遅滞なく、その旨を注文者に通知しなければなりません。

そして第2項。注文者は、通知を受けた日または登録が消除されたことを知った日から30日以内に限り、その測量の請負契約を解除することができます。

先ほどの数字と重ねてください。令和7年度に消除された測量業者は487業者、うち275業者が更新切れです。更新切れは、届出のように事前に分かるものではありません。年度をまたぐ長い契約では、この30日が現実に問題になり得ます。通知が来たら、まず日付を控えてください。30日の起算点は「通知を受けた日」または「知った日」です。

一括下請負と、測量業者以外への下請負

もうひとつ、発注者として知っておく条文があります。

第56条の2(一括下請負の禁止):測量業者は、いかなる方法によるかを問わず、請け負った測量を一括して他人に請け負わせてはならない。ただし第2項で、元請負人があらかじめ注文者の書面による承諾を得た場合には適用されません。第3項で、政令の定めにより電磁的方法での承諾も認められています。

第56条の3(測量業者以外の者に対する下請負の禁止):測量業者は、その請け負った測量(第4条から第6条までに規定する測量に限る)を測量業者以外の者に請け負わせてはならない。

第56条の4(下請負人の変更請求):注文者は、測量の実施につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、その変更を請求することができる。ただし、あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人については、この限りでない。

第56条の3のカッコ書きに注意してください。「第4条から第6条までに規定する測量に限る」——つまり施行令第1条で除かれた局地的測量には、この禁止はかかりません。条文は、どこまでが対象かをカッコの中で決めています。

あわせて第59条も置いておきます。「委託その他いかなる名義によるかを問わず、報酬を得て測量の完成を目的として締結する契約は請負契約と、これらの契約に係る測量を行なう営業は測量業とみなして、この法律の規定を適用する」。契約書の題名を「業務委託契約書」にしても、この規定の適用は変わりません。

段取りの話|「早めに出す」以外に効く手は多くありません

ここまで読んだうえで、では明日から何を変えるかという話をします。正直に書くと、打てる手はそう多くありません。

登録業者が年1.9%減っているとして、それが個々の案件の納期にどう効くかを、この統計は何も語っていません。納期は、地域の実需と、依頼先の手持ち案件と、隣地の方の都合で決まります。とくに境界確定は、隣地の立会いという、こちらが管理できない工程を含みます。統計を見て納期が読めるようにはなりません。

それでも、次の3つは統計と条文から言えます。

  1. 年度末に集中させない。公共測量の発注は年度で動きます。3業種のいずれかを兼ねる会社が多い(建設コンサルタントの72.9%が測量業と兼業)以上、公共の繁忙期は民間案件の手も塞がります。
  2. 長い契約では、相手の登録の有効期間を意識する。5年ごとに切れます。消除の6割近くが更新切れです。
  3. 相見積りの母数を、地元だけに限らない。測量業は東京都のシェアが8.2%しかなく、比較的分散しています。ただし鳥取県58業者、香川県66業者という県もあります。

やりがちな誤解4つ

誤解資料・条文はこう言っています
「測量業者が25.9%減ったので、測量できる会社が4分の3になった」数えているのは大臣登録の測量業者です。施行令第1条により、局地的測量は測量法の対象外です。登録のない事業者が違法とは限りません
「487業者が廃業した」廃業等の届出は212業者。残り275業者は更新切れです。資料は更新切れの理由を書いていません
「測量会社と建設コンサル会社は別」建設コンサルタント登録業者の72.9%が測量業と兼業しています。3業種とも登録している会社が777業者あります
「土地家屋調査士の数もこの統計に入っている」入っていません。この統計は測量法・建設コンサルタント登録規程・地質調査業者登録規程にもとづく国土交通大臣登録の集計です

資料の中で数字が食い違っている箇所があります

本稿の作成中に気づいたので、正直に書いておきます。調査資料のうち、建設コンサルタントの部門別登録数を説明する本文に、表と合わない数字が印字されています。

登録数の多い部門の列挙のうち、「土質及び基礎」が「1,840業者(21.4%)」、「都市計画及び地方計画」が「1,772業者(19.7%)」と書かれています。ところが同じ資料の表では、これらは840業者と772業者です。併記された比率も、840÷3,917=21.4%、772÷3,917=19.7%と、表の数字のほうと一致します。

本稿は、表の840業者・772業者のほうが整合すると考えますが、資料の記載を勝手に直しません。社内資料に写すときは、表のほうを見てください。そして、公的統計であっても、本文と表を突き合わせる価値はあります。比率が併記されていたおかげで、どちらが整合するか確かめられました。

今日からできる3つの準備

  1. 継続的に発注している測量の依頼先について、登録の有無と有効期間を1回だけ確認する。登録簿は第55条の12により公衆の閲覧に供されています。登録がない先でも、局地的測量に当たるなら問題にはなりません。確認したいのは、どちらなのかを自社が把握しているかどうかです。
  2. 年度をまたぐ測量契約の一覧を作る。第55条の11の30日は、通知が来てから数え始めます。契約の一覧がないと、通知が来ても誰に確認すればよいか分かりません。
  3. 「業務委託契約書」の題名で測量を頼んでいないか見る。第59条により、報酬を得て測量の完成を目的とする契約は請負契約とみなされます。題名では逃げられません。

よくある質問

Q. 測量業の登録がない事業者に測量を頼むと、違法ですか。

A. 頼む内容によります。測量法第55条の14は、登録を受けない者が測量業を営むことを禁じています。ただし、その「測量業」の範囲は第10条の2・第4条〜第6条と施行令第1条で決まっており、建物に関する測量や、一定規模以下で既設の三角点・図根点・多角点を2点以上使用しない多角測量・地形測量等は除かれます。個別の案件がどちらに当たるかは、使う基準点と誤差の許容限度によります。本稿は個別の判断をしません。

Q. 依頼先の登録が切れたら、測量は止まりますか。

A. 止まりません。第55条の11第1項により、消除以前に締結された請負契約に係る測量は、引き続き実施することができます。ただし業者側には遅滞なく注文者へ通知する義務があり、注文者は通知を受けた日または知った日から30日以内に限り契約を解除できます(同条第2項)。

Q. この統計から、測量費用が上がるかどうか読めますか。

A. 読めません。この資料は登録業者の数を数えたもので、価格・受注量・技術者数の推移は載っていません(建設コンサルタントの技術管理者数10,516名の内訳はありますが、これは登録部門ごとの管理者の数です)。費用の見通しは、この統計からは出てきません。

Q. 建設コンサルタントの「部門」とは何ですか。

A. 建設コンサルタント登録は部門ごとに行い、1業者で最大21部門まで登録できます。令和7年度末は1部門のみが1,783業者(45.5%)、2部門が727業者(18.6%)で、合わせて64.1%。登録部門の累計は10,516で、1業者あたり平均2.68部門です(前年度2.66)。登録数が多いのは道路1,759業者、鋼構造及びコンクリート1,358業者、河川・砂防及び海岸・海洋1,220業者です。

出典

本稿で使った内容資料
公表日、見出し、3業種の登録業者数・新規登録・登録消除・前年度比・ピーク、詳細ページへのリンク、担当室国土交通省「測量業は22年連続減少、建設コンサルタント、地質調査業は横ばい」(令和8年8月28日)
報道発表資料の本体国土交通省「報道発表資料」(PDF)
消除の内訳(廃業等の届出・更新切れ)、昭和36年度からの推移、資本金階層別、都道府県別、地方整備局等所管地域別、兼業状況、登録部門数、部門別登録数、技術管理者内訳、中小企業基本法の注記、資料内の数字の食い違い国土交通省不動産・建設経済局建設振興課「建設関連業 登録業者数調査(令和7年度)」(PDF・令和8年8月)
集計が毎年度末(3月31日)現在であること、過去年度の集計資料の所在国土交通省「建設関連業者の登録状況」
測量業・測量業者の定義(第10条の2・第10条の3)、基本測量・公共測量・基本測量及び公共測量以外の測量(第4条〜第6条)、登録と有効期間5年(第55条)、消除後の措置と30日の解除権(第55条の11)、登録簿の閲覧(第55条の12)、測量士の設置(第55条の13)、無登録営業の禁止(第55条の14)、一括下請負の禁止(第56条の2)、測量業者以外への下請負の禁止(第56条の3)、下請負人の変更請求(第56条の4)、標識の掲示(第56条の5)、みなし規定(第59条)測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)・e-Gov法令検索
局地的測量又は高度の精度を必要としない測量の範囲(第1条)測量法施行令(昭和二十四年政令第三百二十二号)・e-Gov法令検索

書かなかったこと

土地家屋調査士の人数を書いていません。この統計に含まれないことは書きましたが、では何人いるのかという数字は、本稿では一次資料で確かめられていません。確かめていない数字は載せません。

測量業者の減少の原因を書いていません。資料は業者数を数えているだけで、原因の分析を載せていません。後継者不足、公共測量の発注量、更新手続の運用——どれも本稿は確かめていません。

測量費用の相場を書いていません。この統計に価格の情報はありません。相場は地域と土地の条件で大きく動くので、統計から言えることは何もありません。

登録業者の検索方法を、具体的な手順まで書いていません。第55条の12が閲覧の仕組みを定めていることは条文で確認しましたが、実際の閲覧窓口や手数料の運用は、地方整備局・都道府県によって異なり得ます。本稿は推測で手順を書きません。

最後に、この公表を一行にしておきます。測量業の登録は22年続けて減り、その減り幅は4年続けて広がっている。ただしこの数字は、あなたが明日頼む測量の納期を教えてはくれない。数字が教えてくれるのは、業界の形——9割が中小、7割超が専業、そして建設コンサルタントの7割超が測量業を兼ねているという構造のほうです。そこを知っておくと、繁忙期の読みと、相見積りの出し方が変わります。

本稿は国土交通省の公表資料と法令にもとづく一般的な整理であり、個別の測量の要否や契約の効力を判断するものではありません。実際の判断は、依頼先および所管の地方整備局・都道府県への確認によってください。賃貸管理と売買仲介の実務はウルスタのコラムで書いています。

制度改正・統計の記事を、1か所にまとめてあります
この記事と同じ種類の「制度・法令の改正」「官公庁の統計」を制度改正・統計まとめ2026に集めました。自社の書面や業務フローに触れるものが他にないか、あわせて確認できます。