岡本・大蔵・砧の家・土地はいくらで売れているか
このページの結論
- 岡本・大蔵・砧で直近2年(2024年4〜6月〜2026年1〜3月)に取引された一戸建ての価格の中央値は8,500万円、マンションは5,300万円、土地は9,350万円でした。国土交通省が公表している取引価格・成約価格から数えています。
- マンションの1㎡あたりの中央値は、2021年の70万円から2025年は86.7万円でした。1981年以前に建ったものは1㎡あたり50万円で、2001〜2015年築の100万円と大きく差があります。
- 岡本・大蔵には国分寺崖線が通り、大蔵3〜5丁目と岡本2丁目の一部などが土砂災害警戒区域です。駅がない地区なので、砧1〜8丁目と大蔵1〜3丁目で2026年4月から本格運行している区の予約制乗合ワゴンなど、交通を具体的に伝えることが売り方の要になります。
岡本・大蔵・砧の家・土地の取引価格(直近2年)
区の砧まちづくりセンターの受け持ちで、岡本1〜3丁目・大蔵1〜6丁目・砧1〜8丁目・砧公園です。ウルスタの事務所(大蔵5丁目)もこの地区にあります。国分寺崖線の影響で起伏が大きく、中心に都立砧公園と大蔵運動公園があります。地区の中に鉄道の駅はありません。
ここでは、国土交通省が公表している実際の取引の価格(不動産会社が成約を登録した価格と、買主へのアンケートで集めた価格)を、一戸建て・マンション・土地に分けて数えました。地価公示(更地の評価)より、売るときの目安に近い数字です。
一戸建て
土地の広さの中央値 105㎡
マンション
広さの中央値 70㎡・1㎡あたり81.5万円
土地
1㎡あたり74.2万円(坪245万円)
「不動産価格(取引価格・成約価格)情報」(国土交通省)をもとにウルスタ株式会社作成。出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ。国のデータは町名ごとで、丁目ごとには分けられません。同じ取引が取引価格と成約価格の両方に載っている場合は1件に数えています。「中ほどの半分」は、安い方から並べて25%〜75%にあたる価格です。取引の数が少ないので、1件の大きな取引で中央値が動きます。
この5年の動き
2021年から2025年にかけて、一戸建ては約1.2倍、マンションは約1.2倍です。1年あたりの件数は一戸建てで36〜66件、マンションで69〜109件です。広い家や新しいマンションがまとまって売れた年は高く出るので、1年ごとの上下より、5年の流れで見てください。
一戸建ては、土地の広さで価格帯が変わる
| 土地の広さ | 件数 | 価格の中央値 | 土地の広さ | 土地1㎡あたり |
|---|---|---|---|---|
| 100㎡以下 | 55件 | 7,400万円 | 85㎡ | 95万円 |
| 100〜150㎡ | 36件 | 8,500万円 | 110㎡ | 77.8万円 |
| 150〜250㎡ | 13件 | 1億5,000万円 | 190㎡ | 80万円 |
| 250㎡超 | 11件 | 3億2,000万円 | 360㎡ | 82.5万円 |
マンションは、建った年で価格が変わる
| 建った年 | 件数 | 価格の中央値 | 広さ | 1㎡あたり |
|---|---|---|---|---|
| 1981年以前 | 35件 | 3,000万円 | 60㎡ | 50万円 |
| 1982〜2000年 | 69件 | 4,800万円 | 65㎡ | 71.4万円 |
| 2001〜2015年 | 53件 | 7,600万円 | 75㎡ | 100万円 |
| 2016年以降 | 31件 | 8,500万円 | 75㎡ | 115万円 |
どちらも2024年4〜6月〜2026年1〜3月の取引。建った年が分からない取引は除いています。件数が数件の区分は、1件で中央値が大きく動きます。
岡本・大蔵・砧で売るときにつまずく3つの点
1. 崖線沿いは、擁壁と土砂災害警戒区域から
岡本・大蔵には国分寺崖線が通り、区は大蔵3・4・5丁目と岡本2丁目の一部が土砂災害警戒区域・特別警戒区域だと案内しています。区域に入るか、古い擁壁が今の基準に合っているかで、建て替えの費用と買い手の住宅ローンが変わります。擁壁の確認済証・検査済証の有無は、売り出す前に確かめます。
この地区では土地250㎡を超える一戸建ても11件取引され、中央値は3億2,000万円でした。広い敷地ほど高低差を抱えていることがあるので、図面と現地で確かめてから価格を出します。
2. 駅から遠い家は、交通を具体的に書く
地区の中に鉄道の駅はなく、祖師ヶ谷大蔵・成城学園前・用賀・二子玉川の各駅とバスを使います。砧1〜8丁目と大蔵1〜3丁目では、区の予約制の乗合ワゴンが2026年4月から本格運行しています。「駅から遠い」で終わらせず、使えるバス停、駅までの所要時間、乗合ワゴンの乗降地点まで書くと、比べてもらえる家になります。
3. マンションは、建った年で価格が倍以上違う
直近2年のマンションの取引で、1981年以前に建ったものは35件・1㎡あたり50万円、2016年以降に建ったものは31件・115万円でした。古い建物は、買い手が住宅ローン減税を使うときに耐震基準に合うことを示す書類を求められる場合があります。管理組合の耐震診断・修繕の記録を先にそろえておきます。
建て替え・土地を分けるときのルール
| ルール | この地区で効くところ |
|---|---|
| 用途地域 | 標準地・基準地はすべて第一種低層住居専用地域・建ぺい率50%・容積率100% |
| 地区計画 | 世田谷西部地域(大蔵・岡本・鎌田・瀬田地区)、大蔵地区、打越地区、大蔵三丁目地区、外環道東名JCT周辺地区、砧の各地区など。同じ丁目でも番地で違う |
| 多摩川風致地区 | 岡本・大蔵・砧は指定のある町名(全域とは限らない) |
| 国分寺崖線 | 崖線地区では敷地500㎡以上の建築で届出、地面と接する位置の高低差は6m以下 |
| 建築協定 | 区の有効な建築協定はなし(2026年6月末時点) |
ルールの細目(地区計画・景観・崖線)
用途地域と地区計画
標準地・基準地はすべて第一種低層住居専用地域・建ぺい率50%・容積率100%・準防火地域です。そのうえで、地区計画が細かく重なっています。
- 世田谷西部地域 大蔵・岡本・鎌田・瀬田地区(大蔵6丁目、岡本1〜3丁目など):区画道路が整っていない地区では容積率80%・建ぺい率40%・敷地100㎡以上が基本です(条件を満たすと100%・50%・80㎡に緩和)。
- 大蔵地区(大蔵3〜5丁目、喜多見6丁目、成城1丁目)、打越地区(大蔵5・6丁目)、大蔵三丁目地区(大蔵2〜4丁目・砧5・7丁目。公社大蔵住宅の建替えにあわせ国分寺崖線の景観を守る計画)
- 外環道東名ジャンクション周辺地区(大蔵5・6丁目、喜多見3・5〜7丁目など。2026年3月5日決定)
- 砧では砧一・三丁目地区、砧五丁目地区、砧三・五丁目世田谷通り沿道地区、祖師ヶ谷大蔵駅南周辺地区(砧6・8丁目)、環状八号線の沿道地区計画など
区の地区計画一覧にある区域の書き方です。同じ丁目でも番地によって入る計画が違うので、地番で確かめます。この地区に区の有効な建築協定はありません(2026年6月末時点)。
多摩川風致地区
岡本・大蔵・砧は、多摩川風致地区(1933年指定)の指定がある町名です。町全体が入るとは限らず、第一種(建ぺい率20%以下・高さ10m以下)と第二種(40%以下・15m以下)があります。
国分寺崖線
崖線は区内で多摩川・野川沿いに約8km続き、高さは10〜20mです。国分寺崖線保全整備条例の崖線地区(約300ha)では、敷地500㎡以上の建築で届出が要り、建物が地面と接する位置の高低差を6m以下にします。階段状に高く積み上げる建物を抑えるためのルールです。
災害のリスク
土砂災害
区の砧地区の防災ページでは、大蔵3・4・5丁目と岡本2丁目の一部が土砂災害警戒区域・特別警戒区域に指定されていると案内されています。区の指定区域の一覧には大蔵3〜6丁目と岡本1〜3丁目の名前が出てくるので、該当するかは東京都の土砂災害警戒区域等マップで地番ごとに確かめます。砧の町名は、どちらの資料にも出てきません。
浸水
野川・仙川などの洪水浸水想定区域は東京都が2024年2月に指定し、想定最大規模の降雨は1時間153mmです。区のハザードマップ(2026年7月更新)で物件の位置を確かめます。広域避難場所は砧公園・大蔵運動公園一帯と、多摩川河川敷・二子橋一帯です。
売買・賃貸では、水害ハザードマップ上の位置の説明が重要事項説明の義務になっています。土砂災害警戒区域に入っていれば、そのことも説明します。
地価公示と人口(参考)
地価公示・基準地価は、国や都が選んだ地点の更地としての評価です。住宅地では、祖師ヶ谷大蔵駅から560mの砧8-23-7(地価公示)が1㎡あたり78.8万円、成城学園前駅から1,600mの大蔵5-18-12(地価公示)が38.3万円でした。上の取引の価格(土地の1㎡あたりの中央値)と大きくずれていないかを確かめる材料として見てください。
地価公示・基準地価の地点(8地点)
| 種類・番号 | 所在(住居表示) | 1㎡あたり | 前年比 | 最寄り駅・道路距離 | 用途地域・建ぺい率/容積率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 地価公示 世田谷-35 | 砧8-23-7 | 788,000円 | +6.9% | 祖師ヶ谷大蔵駅 560m | 1低専・50/100・準防 |
| 地価公示 世田谷-105 | 砧4-26-3 | 720,000円 | +8.4% | 祖師ヶ谷大蔵駅 670m | 1低専・50/100・準防 |
| 基準地価 世田谷-32 | 砧3-33-36 | 670,000円 | +6.0% | 祖師ヶ谷大蔵駅 780m | 1低専・50/100・準防 |
| 基準地価 世田谷-26 | 岡本2-3-19 | 667,000円 | +6.2% | 二子玉川駅 1,300m | 1低専・50/100・準防 |
| 地価公示 世田谷-31 | 岡本1-14-11 | 581,000円 | +8.0% | 用賀駅 1,200m | 1低専・50/100・準防 |
| 地価公示 世田谷-87 | 砧1-28-7 | 565,000円 | +7.0% | 祖師ヶ谷大蔵駅 1,200m | 1低専・50/100・準防 |
| 基準地価 世田谷-20 | 岡本3-7-2 | 544,000円 | +3.0% | 用賀駅 1,800m | 1低専・50/100・準防 |
| 地価公示 世田谷-57 | 大蔵5-18-12 | 383,000円 | +3.5% | 成城学園前駅 1,600m | 1低専・50/100・準防 |
地価公示(国土交通省、毎年1月1日時点)と東京都の基準地価(毎年7月1日時点)は、選ばれた地点の更地としての1㎡あたりの価格です。実際に売れる価格は、道路の幅、土地の形、建物の有無と状態で変わります。前年比が「―」の地点は、その年に新しく選ばれた地点です。用途地域の「1低専」は第一種低層住居専用地域、「準防」は準防火地域です。
岡本1〜3丁目・大蔵1〜6丁目・砧1〜8丁目・砧公園の人口は2026年10月1日現在で42,887人、世帯は20,888で、1年前より44人増えています。
町丁目ごとの人口
| 町丁目 | 人口 | 世帯 | 面積(k㎡) | 1年前との差(人) |
|---|---|---|---|---|
| 岡本1丁目 | 3,116人 | 1,460 | 0.254 | +25 |
| 岡本2丁目 | 2,234人 | 958 | 0.259 | +22 |
| 岡本3丁目 | 3,086人 | 1,292 | 0.239 | -70 |
| 大蔵1丁目 | 2,122人 | 988 | 0.204 | +51 |
| 大蔵2丁目 | 1,480人 | 825 | 0.152 | -16 |
| 大蔵3丁目 | 972人 | 600 | 0.1 | -16 |
| 大蔵4丁目 | 161人 | 74 | 0.203 | +19 |
| 大蔵5丁目 | 1,767人 | 779 | 0.217 | -8 |
| 大蔵6丁目 | 979人 | 409 | 0.158 | +5 |
| 砧1丁目 | 4,325人 | 1,978 | 0.266 | +11 |
| 砧2丁目 | 3,606人 | 1,799 | 0.145 | -8 |
| 砧3丁目 | 3,986人 | 1,963 | 0.188 | +48 |
| 砧4丁目 | 4,295人 | 2,197 | 0.192 | -42 |
| 砧5丁目 | 2,723人 | 1,276 | 0.169 | -7 |
| 砧6丁目 | 2,677人 | 1,505 | 0.162 | -33 |
| 砧7丁目 | 2,193人 | 1,115 | 0.148 | +59 |
| 砧8丁目 | 3,165人 | 1,670 | 0.202 | +4 |
| 砧公園 | 0人 | 0 | 0.515 | 0 |
| 合計 | 42,887人 | 20,888 | +44 |
世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(住民基本台帳)。
よくある質問
岡本・大蔵・砧の一戸建ては、いくらくらいで売れていますか。
岡本・大蔵・砧のマンションの相場はどのくらいですか。
大蔵や岡本の家が土砂災害警戒区域に入っているかは、どこで分かりますか。
出典・参考にした資料
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ「不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード」
- 世田谷区「都市整備方針 区の取組み状況(砧地域)」
- 東京都財務局「令和8年地価公示 公示価格個別地点データ(東京都分)」
- 東京都財務局「令和8年東京都基準地価格 基準地価格一覧(CSV)」
- 世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(2026年・2025年)
- 東京都財務局「令和8年地価公示価格(東京都分)の概要」
- 世田谷区「砧地区」
- 世田谷区「管轄区域について(砧まちづくりセンター)」
- 東京都公園協会「砧公園」
- 世田谷区「大蔵運動公園」
- 国立成育医療研究センター「アクセス・交通案内」
- 世田谷区「岡本公園民家園」
- 静嘉堂「静嘉堂文庫美術館の移転について」
- 世田谷区「砧・大蔵地区で予約制乗合ワゴン 本格運行中」
- 世田谷区「公共交通不便地域対策」
- 世田谷区「地区計画等・地区街づくり計画一覧」
- 世田谷区「世田谷西部地域地区計画パンフレット(16地区共通)」
- 世田谷区「東京都風致地区条例」
- 世田谷区「国分寺崖線保全整備条例」
- 世田谷区「建築協定」
- 世田谷区「砧地区の避難場所と防災情報」
- 世田谷区「土砂災害防止法に基づく指定区域について」
- 東京都「土砂災害警戒区域等マップ」
- 世田谷区「洪水・内水氾濫ハザードマップ」
- 東京都建設局「野川、仙川、入間川、谷沢川及び丸子川 洪水浸水想定区域図」
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の一部改正(水害リスク情報の重要事項説明への追加)」
2026年10月21日時点で確認した内容です。取引価格・成約価格は、国土交通省が四半期ごとに追加するたびに更新します。個々の物件の価格は、土地の形・道路・建物の状態で大きく変わります。建築のルールは地番ごとに違うことがあるので、建てる・売る前には区の窓口で確かめてください。
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