賃貸管理 読了 11分

賃貸管理システム 比較 2026 — 料金を公開している会社と、していない会社

中小〜中堅の賃貸管理会社が業務SaaSを導入する際、選択肢は2026年時点で6サービス以上あります。本記事では公表情報のみに基づき、主要6サービスをサービス内容・対応規模・料金透明性・連携性の4軸で中立的に整理。「どんな管理会社に適しているか」を明確にし、貴社の状況に最適な選定軸を提示します。最新詳細は必ず各社公式サイトでご確認ください。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸管理システム比較2026|料金公開の有無
目次

賃貸管理システムを比べようとすると、最初に壁になるのが「料金が分からない」ことです。各社の公式サイトを1つずつ当たった結果、金額を載せている会社のほうが少数でした。この記事では、推測を入れずに、公式サイトで確認できたことだけを書きます。調査日は2026年8月31日です。

先に結論

  • 公式サイトで具体的な金額を確認できたのは、調べた範囲では賃貸革命とウルスタの2つでした。
  • 賃貸革命は「月々17,600円(税別)から」。ただしリース契約が必要で、導入後5年間は保守料が無料と記載されています。
  • 他社は問い合わせないと金額が分かりません。比較の土俵に乗せるだけで見積もり依頼が要るのが、このカテゴリの実情です。
  • だからこそ、見積もりを取るときに何を聞くかが効きます。月額だけ聞いても比較できません(後述)。
賃貸管理システムの見積もりで、月額以外に必ず聞く5つのこと
賃貸管理システムの見積もりで、月額以外に必ず聞く5つのこと(本記事の内容を図にしたもの)

公式サイトでの料金の記載状況

2026年8月31日に、各社の公式サイトを当社が確認した結果です。「確認できなかった」は「非公開」と同義ではありません。ページに到達できなかっただけの可能性があるため、断定はしていません。

製品提供会社公式サイトでの料金の記載
賃貸革命日本情報クリエイト株式会社記載あり/月々17,600円(税別)から。リース契約が必要。導入後5年間は保守料無料
ウルスタ(当社)ウルスタ株式会社記載あり/月980円・9,800円・29,800円・49,800円(税抜・管理戸数別)
いえらぶCLOUD株式会社いえらぶGROUP当社は金額の記載を確認できませんでした
KanrIt!いえらぶパートナーズ株式会社(いえらぶGROUP)当社は金額の記載を確認できませんでした
ITANDI 賃貸管理 基幹システムセットイタンジ株式会社当社は金額の記載を確認できませんでした
賃貸名人株式会社ダンゴネット当社は金額の記載を確認できませんでした

※ 料金は改定されます。契約前に必ず各社の公式サイトでご確認ください。※ いえらぶCLOUD と KanrIt! は同じ いえらぶGROUP のサービスです。別々の会社として数えると、選択肢を実際より多く見積もることになります。

なぜ料金を出していない会社が多いのか

不親切だからではなく、この商材の構造によるものです。賃貸管理システムの費用は、管理戸数・アカウント数・使うモジュール・初期のデータ移行・既存システムからの乗り換え作業で変わります。会社ごとに条件が違いすぎて、一本の価格を出すと誤解を生む、という判断は理解できます。

ただし、選ぶ側から見ると話は別です。金額が分からないと、そもそも候補に入れるかどうかの判断ができません。結果として「まず問い合わせる」→「営業の商談に入る」→「そこで初めて金額を知る」という順序になり、比較そのものに時間がかかります。中小の会社ほど、この時間のコストが重いはずです。

見積もりを取るとき、月額以外に必ず聞くこと

月額だけを並べても比較になりません。実際に効いてくるのは、たいてい月額以外の項目です。

1. 契約の形(月額課金か、リース契約か)

賃貸革命は公式サイトに「月額利用にはリース契約が必要」と書かれています。リースは途中解約の扱いが月額課金と異なります。契約期間と、途中でやめる場合にどうなるかは、最初に確認してください。

2. 初期費用とデータ移行費

既存の管理データ(物件・部屋・入居者・契約・入金履歴)をどこまで移してもらえるか、それが初期費用に含まれるか別料金か。ここが数十万円単位で変わることがあります。

3. アカウントの数え方

同時ログイン数なのか、登録ユーザー数なのか。パート社員の分をどう数えるのか。人が増えたときにいくら増えるのか。

4. 管理戸数が増えたときの価格の変わり方

戸数で段階的に上がる料金体系が多いので、次の段の金額まで先に聞いておくと、増えた時に慌てずに済みます。

5. サポートの範囲と、保守料の扱い

初年度は無料でも、数年目から保守料が発生する場合があります。賃貸革命は「導入後5年間は保守料無料、6年目以降は利用料のみで継続可能」と記載しています。何年目にいくらになるかを、契約前に確認してください。

規模ごとの考え方

金額が公開されていない以上、規模別のおすすめを断定的に書くことはできません。代わりに、規模によって何が論点になるかを書きます。

担当者が1〜3名の会社では、機能の多さより「使い続けられるか」が効きます。多機能なシステムを入れても、入力する人が1人なら入力が回りません。まず入居者・契約・入金の3つが確実に回ることを確認してください。

4〜15名になると、担当者ごとに情報が分かれる問題が出てきます。誰が何を対応したかの履歴が残るか、引き継ぎができるかが論点です。

16名以上では、権限の分離(誰がどこまで見られるか)と、拠点をまたいだ集計が要件に入ってきます。

ウルスタについて(当社サービスです)

この記事は当社が書いています。その前提でお読みください。他社を採点するようなことはしません(基準を示さずに他社を採点した比較は、公正とは言えないためです)。当社について書けるのは、次の事実だけです。

  • 料金を公開しています。月980円(管理99戸まで)/9,800円(100〜499戸)/29,800円(500〜999戸)/49,800円(1,000戸〜)、いずれも税抜。初期費用は0円です。
  • 全プランで機能に差をつけていません。価格の違いは管理戸数とアカウント数によるものです。
  • 30日間、全機能を無料で試せます。クレジットカードの登録は不要です。
  • 賃貸管理だけの製品ではありません。顧客管理、賃料査定、電子サイン、物件管理、募集図面の作成が同じ画面にあります。逆に言えば、賃貸管理の機能だけを深く作り込んだ専用システムと比べると、個別機能の作り込みで劣る場面はあります。

当社は導入社数を公表していません。公表できる裏付けが取れていないためです。実績の規模で選びたい方は、その点を割り引いてご判断ください。

そのまま送れる見積もり依頼文

金額を公開していない会社が多いので、比較の土俵に乗せるには問い合わせが要ります。各社に同じ文面を送ると、返ってくる形がそろって比較できます。会社名と数字だけ差し替えて使ってください。

お世話になっております。◯◯(会社名)の◯◯と申します。
賃貸管理システムの入れ替えを検討しており、御社の製品について見積りをお願いしたく連絡いたしました。

【当社の前提】
・管理戸数:◯◯戸(うち受託管理◯◯戸/自社所有◯◯戸)
・利用者数:常時ログインする人◯名、月に数回の人◯名
・拠点数:◯拠点
・現在の運用:◯◯(Excel/他社システム名)
・移行したいデータ:物件・部屋・契約・入居者・オーナー・入出金履歴◯年分

【お伺いしたいこと】
1. 契約の形(月額課金かリース契約か。リースの場合は期間と中途解約の可否)
2. 初期費用の内訳(初期設定費・データ移行費・研修費を分けてご記載ください)
3. アカウントの数え方(同時ログイン数か登録ID数か。増減した月の扱い)
4. 管理戸数が増えたときに金額が変わる境目の戸数と、変わったあとの金額
5. 保守料の扱い(月額に含まれるか別か。無料期間があればその期間と、期間後の金額)
6. サポートの範囲(電話の有無、受付時間、運用の質問に答えてもらえるか)
7. 解約時のデータの返却形式(CSV等)と、返却の費用
8. 上記を含めた5年間の総額

お手数ですが、8番の5年総額まで含めてご提示いただけますと助かります。よろしくお願いいたします。

最後の「5年総額」が肝です。月額だけを比べると、初期費用と保守料の差が見えません。各社が同じ土俵に並ぶのは、この1行を足したときだけです。

移行データの棚卸し表

見積もりの前に、自社が何を持っているかを数えておいてください。移行費は「データの量」ではなく「形のばらつき」で決まります。ばらつきを先に潰しておくと、見積もりが下がることがあります。

データ数えるもの先に潰しておくとよいばらつき
物件・部屋棟数/室数住所表記(丁目・番地の書き方)、棟名の表記ゆれ
契約有効契約数/過去分の年数契約期間の入力形式、更新履歴の持ち方
入居者人数氏名のカナ有無、電話番号のハイフン、連帯保証人の持ち方
オーナー人数・法人数送金先口座の表記、複数所有の紐づけ方
入出金移行する年数摘要欄の書き方、手数料の相殺の扱い
書類ファイル数・容量ファイル名の付け方、保存場所の分散

入出金の移行年数は、費用にいちばん効きます。全年分を移すのか、直近だけ移して古い分は参照用に残すのかを、見積もり依頼の前に決めてください。

契約書で必ず読む5つの条項

金額が折り合ったあとに問題になるのは、たいていここです。提案書ではなく契約書と利用規約で確認してください。

  • 契約期間と中途解約:リース契約は途中で降りられないことがあります。残期間の扱いを条文で確認してください。
  • 値上げの条項:改定の通知期間と、改定に応じない場合の扱い。「協議の上」としか書いていない場合は、通知期間だけでも書面で確認を。
  • データの所有と返却:解約時に何をどの形式で返してもらえるか。返却が有償かどうか。
  • 停止・障害時の扱い:計画停止の頻度と時間帯、障害時の連絡方法。賃貸管理は月末月初に止まると業務が止まります。
  • 再委託と保管場所:入居者の個人情報をどこに置くか、誰に再委託するか。オーナーから聞かれたときに答えられる必要があります。

よくある質問

料金を公開している会社のほうが安いのですか?

そうとは限りません。公開されているのは基本料金で、実際の負担はオプションや初期費用を含めた総額で決まります。公開していることの価値は「安さ」ではなく、比較の土俵に乗せる前に判断できることです。

無料で使える賃貸管理システムはありますか?

無料プランや試用期間を用意している会社はありますが、期間や機能に制限があるのが通常です。当社の30日間無料も試用期間で、その後は有料になります。「ずっと無料で基幹システムが使える」という前提で選ぶのは、現実的ではありません。

この記事の情報はいつのものですか?

2026年8月31日に各社の公式サイトを確認して書いています。料金・機能は変わります。契約前に必ず各社の公式サイトでご確認ください。

出典