入居者対応、契約更新、退去立会、修繕手配、家賃滞納、管理業登録の更新まで、自社管理の現場で使っている手順をそのまま公開する賃貸管理の実務コラム一覧。 全 123 記事。

令和8年度の地域別最低賃金は、47都道府県の答申が9月3日に出そろいました。全国加重平均1,177円、引上げ額は54円から65円、最高は東京1,280円、最低は宮崎1,085円。発効日は10月1日が15都道府県、残りは10月2日から12月2日にかけて順次です。業務改善助成金の申請期限は「発効日の前日」なので、10月1日発効の県は9月30日が締切。一覧表と換算式、9月中にやることを書きました。

8月21日に全国7月分、8月28日に東京都区部8月分の消費者物価指数が公表されました。この月から2025年基準です。民営家賃の前年同月比は、全国0.7%、東京都区部2.0%。総合はどちらも1.9%です。全国では家賃が物価全体の3分の1しか上がっていないのに、設備修繕・維持は4.1%上がっています。オーナーの収支は、家賃より先に修繕費で痩せます。賃料改定の根拠として、どの数字を、どの順番で見せるかをまとめます。

空室が埋まらない物件を、補助金で直す。その入口として毎年動いているのが、スマートウェルネス住宅等推進事業の「セーフティネット専用住宅改修事業」です。令和8年度の募集は4月15日に始まり、12月11日17時で締め切られます。補助率は3分の1、限度額は基本62万円/戸、バリアフリー改修などを含めれば125万円/戸、エレベーターを設置すれば143万円/戸、車椅子使用者に必要な空間を確保した便所と浴室を整えれば250万円/戸。数字だけ見れば大きな制度です。ただしこれは改修費の3分の1を配る制度ではありません。10年間その住戸を住宅確保要配慮者専用として登録し続けることと引き換えに、改修費の一部が出る制度です。締切から逆算した現実的なスケジュール、交付決定前着工という一発アウトの落とし穴、そして10年後まで続く義務を、オーナー提案の順序に翻訳しました。

令和8年熊本地震の災害救助法適用日は7月28日です。熊本県と熊本市が、被災者に民間賃貸住宅を無償で提供する賃貸型応急住宅(みなし仮設住宅)の受付を始めました。この制度でいちばん誤解されるのは、家賃上限の性格です。県のQ&Aは「家賃補助ではなく、応急仮設住宅を現物支給する制度」と書き、上限を超える分を入居者が差額として支払うことは「なり得ない」と明記しています。借主は行政、契約は三者による定期建物賃貸借、物件を探すのは被災者本人、そして貸主の同意がなければ契約は成立しない。仲介手数料は家賃の0.55か月以内、退去修繕負担金は2か月以内、火災保険は行政が包括契約します。7月28日以降にすでに個人で契約した部屋を遡って対象化する切替の手順と、そこで遡及できない費用も含めて整理しました。

国土交通省が2026年6月5日に公表した令和7年度の全国立入検査結果は、168社を検査して118社に是正指導、是正指導率70.2%でした。条項別の指摘を前年度と並べると、11条項のうち増えたのは法13条と法14条の2つだけで、他は軒並み減っています。増えた2条項はいずれも契約書面で、指摘の例示には「登録年月日及び登録番号」が並びます。そして2026年は賃貸住宅管理業の登録が初めて一斉に更新期を迎えた年で、更新すると登録番号の括弧の中の数字が変わります。更新申請の完了と、書面の差し替えの完了は、別の作業です。

令和8年度の賃貸不動産経営管理士試験は、受験申込が2026年9月30日で締め切られます。その翌日の10月1日から、有効期限が令和9年3月31日の有資格者の更新受付が始まります。増やす扉が閉じる日と、減らさない扉が開く日が、48時間の距離で並んでいるのが今年の8月です。業務管理者は事務所ごとに1名以上で、他の事務所と兼任できません。つまりこの頭数が、来期に開ける事務所の数の上限になります。公表された試験統計と更新要領から、管理会社が今月決めるべきことを整理します。

外国人技能実習機構が、育成就労計画認定の施行日前申請を2026年9月1日から受け付けます。この計画には「適切な宿泊施設の確保」が認定要件として入っており、申請時点で契約により部屋が押さえられていることが原則です。つまり8月は、受入企業が部屋を探す月になります。寝室の面積、収納、採光、避難階段——認定要件を賃貸の内見チェックに翻訳し、戸単位の分散と一棟集約で適用される法律が変わる境目まで整理します。

賃料の上昇が続き、法人契約や店舗・事務所の案件を扱う機会が増えています。ところが事業用の賃貸借には、居住用にはない保証のルールがあります。民法465条の10——事業のために負担する債務の保証を個人に委託するとき、借主は自分の財産と収支の状況を保証人に伝えなければならない。伝えなかったことを貸主が知り、または知ることができたときは、保証人は保証契約そのものを取り消せます。契約書の様式ではなく、契約前の会話に穴があるという話です。

政令ひとつで、5つの期日が動きました。宅地建物取引業の免許、賃貸住宅管理業者の登録、宅地建物取引士証。令和8年7月28日以後に満了するものは、令和9年1月27日まで延びています。ただし全社が対象ではありません。告示に書かれた「対象者」の一文が、そのまま線引きになっています。被災地の会社が何を確認し、被災地の外の会社が何を点検しておくべきかを整理します。

入居者に「何が不満ですか」と正面から聞いた統計が出ました。賃貸だけ、住んでから不満が増える項目が3つあります。浴室、台所、そして断熱です。内見のときには飲み込めたはずのものが、なぜ住んだあとに効いてくるのか。募集図面と原状回復の順番を組み替える話として読みます。

モバイルバッテリーが燃える話は、もう他人事ではありません。東京消防庁管内では2025年に382件、2026年は1.5倍のペースで増えています。出火が最も多いのは7月。ゴミ置き場、駐輪場、そして居室。賃貸管理会社が掲示と巡回と初動で何をどこまでできるのかを整理します。

保険料が上がるという話は毎年流れてきます。ですが管理会社が動くべき対象は、値上げ幅の予想ではありません。自社の管理物件について、どの建物にどの補償が付いていて、いつ更新が来るのかを一覧にすること。それが無いままでは、値上げの通知が届いた日に何も答えられません。