賃貸管理システムを比べようとすると、最初に壁になるのが「料金が分からない」ことです。各社の公式サイトを1つずつ当たった結果、金額を載せている会社のほうが少数でした。この記事では、推測を入れずに、公式サイトで確認できたことだけを書きます。調査日は2026年8月31日です。
先に結論
- 公式サイトで具体的な金額を確認できたのは、調べた範囲では賃貸革命とウルスタの2つでした。
- 賃貸革命は「月々17,600円(税別)から」。ただしリース契約が必要で、導入後5年間は保守料が無料と記載されています。
- 他社は問い合わせないと金額が分かりません。比較の土俵に乗せるだけで見積もり依頼が要るのが、このカテゴリの実情です。
- だからこそ、見積もりを取るときに何を聞くかが効きます。月額だけ聞いても比較できません(後述)。
公式サイトでの料金の記載状況
2026年8月31日に、各社の公式サイトを当社が確認した結果です。「確認できなかった」は「非公開」と同義ではありません。ページに到達できなかっただけの可能性があるため、断定はしていません。
| 製品 | 提供会社 | 公式サイトでの料金の記載 |
|---|---|---|
| 賃貸革命 | 日本情報クリエイト株式会社 | 記載あり/月々17,600円(税別)から。リース契約が必要。導入後5年間は保守料無料 |
| ウルスタ(当社) | ウルスタ株式会社 | 記載あり/月980円・9,800円・29,800円・49,800円(税抜・管理戸数別) |
| いえらぶCLOUD | 株式会社いえらぶGROUP | 当社は金額の記載を確認できませんでした |
| KanrIt! | いえらぶパートナーズ株式会社(いえらぶGROUP) | 当社は金額の記載を確認できませんでした |
| ITANDI 賃貸管理 基幹システムセット | イタンジ株式会社 | 当社は金額の記載を確認できませんでした |
| 賃貸名人 | 株式会社ダンゴネット | 当社は金額の記載を確認できませんでした |
※ 料金は改定されます。契約前に必ず各社の公式サイトでご確認ください。※ いえらぶCLOUD と KanrIt! は同じ いえらぶGROUP のサービスです。別々の会社として数えると、選択肢を実際より多く見積もることになります。
なぜ料金を出していない会社が多いのか
不親切だからではなく、この商材の構造によるものです。賃貸管理システムの費用は、管理戸数・アカウント数・使うモジュール・初期のデータ移行・既存システムからの乗り換え作業で変わります。会社ごとに条件が違いすぎて、一本の価格を出すと誤解を生む、という判断は理解できます。
ただし、選ぶ側から見ると話は別です。金額が分からないと、そもそも候補に入れるかどうかの判断ができません。結果として「まず問い合わせる」→「営業の商談に入る」→「そこで初めて金額を知る」という順序になり、比較そのものに時間がかかります。中小の会社ほど、この時間のコストが重いはずです。
見積もりを取るとき、月額以外に必ず聞くこと
月額だけを並べても比較になりません。実際に効いてくるのは、たいてい月額以外の項目です。
1. 契約の形(月額課金か、リース契約か)
賃貸革命は公式サイトに「月額利用にはリース契約が必要」と書かれています。リースは途中解約の扱いが月額課金と異なります。契約期間と、途中でやめる場合にどうなるかは、最初に確認してください。
2. 初期費用とデータ移行費
既存の管理データ(物件・部屋・入居者・契約・入金履歴)をどこまで移してもらえるか、それが初期費用に含まれるか別料金か。ここが数十万円単位で変わることがあります。
3. アカウントの数え方
同時ログイン数なのか、登録ユーザー数なのか。パート社員の分をどう数えるのか。人が増えたときにいくら増えるのか。
4. 管理戸数が増えたときの価格の変わり方
戸数で段階的に上がる料金体系が多いので、次の段の金額まで先に聞いておくと、増えた時に慌てずに済みます。
5. サポートの範囲と、保守料の扱い
初年度は無料でも、数年目から保守料が発生する場合があります。賃貸革命は「導入後5年間は保守料無料、6年目以降は利用料のみで継続可能」と記載しています。何年目にいくらになるかを、契約前に確認してください。
規模ごとの考え方
金額が公開されていない以上、規模別のおすすめを断定的に書くことはできません。代わりに、規模によって何が論点になるかを書きます。
担当者が1〜3名の会社では、機能の多さより「使い続けられるか」が効きます。多機能なシステムを入れても、入力する人が1人なら入力が回りません。まず入居者・契約・入金の3つが確実に回ることを確認してください。
4〜15名になると、担当者ごとに情報が分かれる問題が出てきます。誰が何を対応したかの履歴が残るか、引き継ぎができるかが論点です。
16名以上では、権限の分離(誰がどこまで見られるか)と、拠点をまたいだ集計が要件に入ってきます。
ウルスタについて(当社サービスです)
この記事は当社が書いています。その前提でお読みください。他社を採点するようなことはしません(基準を示さずに他社を採点した比較は、公正とは言えないためです)。当社について書けるのは、次の事実だけです。
- 料金を公開しています。月980円(管理99戸まで)/9,800円(100〜499戸)/29,800円(500〜999戸)/49,800円(1,000戸〜)、いずれも税抜。初期費用は0円です。
- 全プランで機能に差をつけていません。価格の違いは管理戸数とアカウント数によるものです。
- 30日間、全機能を無料で試せます。クレジットカードの登録は不要です。
- 賃貸管理だけの製品ではありません。顧客管理、賃料査定、電子サイン、物件管理、募集図面の作成が同じ画面にあります。逆に言えば、賃貸管理の機能だけを深く作り込んだ専用システムと比べると、個別機能の作り込みで劣る場面はあります。
当社は導入社数を公表していません。公表できる裏付けが取れていないためです。実績の規模で選びたい方は、その点を割り引いてご判断ください。
そのまま送れる見積もり依頼文
金額を公開していない会社が多いので、比較の土俵に乗せるには問い合わせが要ります。各社に同じ文面を送ると、返ってくる形がそろって比較できます。会社名と数字だけ差し替えて使ってください。
お世話になっております。◯◯(会社名)の◯◯と申します。
賃貸管理システムの入れ替えを検討しており、御社の製品について見積りをお願いしたく連絡いたしました。
【当社の前提】
・管理戸数:◯◯戸(うち受託管理◯◯戸/自社所有◯◯戸)
・利用者数:常時ログインする人◯名、月に数回の人◯名
・拠点数:◯拠点
・現在の運用:◯◯(Excel/他社システム名)
・移行したいデータ:物件・部屋・契約・入居者・オーナー・入出金履歴◯年分
【お伺いしたいこと】
1. 契約の形(月額課金かリース契約か。リースの場合は期間と中途解約の可否)
2. 初期費用の内訳(初期設定費・データ移行費・研修費を分けてご記載ください)
3. アカウントの数え方(同時ログイン数か登録ID数か。増減した月の扱い)
4. 管理戸数が増えたときに金額が変わる境目の戸数と、変わったあとの金額
5. 保守料の扱い(月額に含まれるか別か。無料期間があればその期間と、期間後の金額)
6. サポートの範囲(電話の有無、受付時間、運用の質問に答えてもらえるか)
7. 解約時のデータの返却形式(CSV等)と、返却の費用
8. 上記を含めた5年間の総額
お手数ですが、8番の5年総額まで含めてご提示いただけますと助かります。よろしくお願いいたします。
最後の「5年総額」が肝です。月額だけを比べると、初期費用と保守料の差が見えません。各社が同じ土俵に並ぶのは、この1行を足したときだけです。
移行データの棚卸し表
見積もりの前に、自社が何を持っているかを数えておいてください。移行費は「データの量」ではなく「形のばらつき」で決まります。ばらつきを先に潰しておくと、見積もりが下がることがあります。
| データ | 数えるもの | 先に潰しておくとよいばらつき |
|---|---|---|
| 物件・部屋 | 棟数/室数 | 住所表記(丁目・番地の書き方)、棟名の表記ゆれ |
| 契約 | 有効契約数/過去分の年数 | 契約期間の入力形式、更新履歴の持ち方 |
| 入居者 | 人数 | 氏名のカナ有無、電話番号のハイフン、連帯保証人の持ち方 |
| オーナー | 人数・法人数 | 送金先口座の表記、複数所有の紐づけ方 |
| 入出金 | 移行する年数 | 摘要欄の書き方、手数料の相殺の扱い |
| 書類 | ファイル数・容量 | ファイル名の付け方、保存場所の分散 |
入出金の移行年数は、費用にいちばん効きます。全年分を移すのか、直近だけ移して古い分は参照用に残すのかを、見積もり依頼の前に決めてください。
契約書で必ず読む5つの条項
金額が折り合ったあとに問題になるのは、たいていここです。提案書ではなく契約書と利用規約で確認してください。
- 契約期間と中途解約:リース契約は途中で降りられないことがあります。残期間の扱いを条文で確認してください。
- 値上げの条項:改定の通知期間と、改定に応じない場合の扱い。「協議の上」としか書いていない場合は、通知期間だけでも書面で確認を。
- データの所有と返却:解約時に何をどの形式で返してもらえるか。返却が有償かどうか。
- 停止・障害時の扱い:計画停止の頻度と時間帯、障害時の連絡方法。賃貸管理は月末月初に止まると業務が止まります。
- 再委託と保管場所:入居者の個人情報をどこに置くか、誰に再委託するか。オーナーから聞かれたときに答えられる必要があります。
よくある質問
料金を公開している会社のほうが安いのですか?
そうとは限りません。公開されているのは基本料金で、実際の負担はオプションや初期費用を含めた総額で決まります。公開していることの価値は「安さ」ではなく、比較の土俵に乗せる前に判断できることです。
無料で使える賃貸管理システムはありますか?
無料プランや試用期間を用意している会社はありますが、期間や機能に制限があるのが通常です。当社の30日間無料も試用期間で、その後は有料になります。「ずっと無料で基幹システムが使える」という前提で選ぶのは、現実的ではありません。
この記事の情報はいつのものですか?
2026年8月31日に各社の公式サイトを確認して書いています。料金・機能は変わります。契約前に必ず各社の公式サイトでご確認ください。
出典
- 日本情報クリエイト|賃貸革命 価格(2026年8月31日確認)
- いえらぶパートナーズ|賃貸管理システム「KanrIt!」スタート(提供会社の確認・2026年8月31日)
- ウルスタ 料金プラン(2026年8月31日時点)


