等々力・尾山台・玉堤の家・土地はいくらで売れているか
このページの結論
- 等々力・尾山台・玉堤で直近2年(2024年4〜6月〜2026年1〜3月)に取引された一戸建ての価格の中央値は1億2,000万円、マンションは7,000万円、土地は1億3,500万円でした。国土交通省が公表している取引価格・成約価格から数えています。
- マンションの1㎡あたりの中央値は、2021年の83.8万円から2025年は110.5万円でした。1981年以前に建ったものは1㎡あたり61.1万円で、2001〜2015年築の123.4万円と大きく差があります。
- 2019年の台風19号で玉堤1・2丁目と尾山台1丁目付近が浸水し、等々力渓谷のまわりには土砂災害警戒区域が12か所あります。同じ地区でも、低地・斜面・平らな住宅地でリスクがまったく違います。
等々力・尾山台・玉堤の家・土地の取引価格(直近2年)
区の等々力まちづくりセンターの受け持ちで、等々力1〜8丁目・尾山台1〜3丁目・玉堤1・2丁目です。区が「東京23区内に残る唯一の渓谷」と紹介する等々力渓谷があり、駅は大井町線の尾山台駅と等々力駅です。南の玉堤は多摩川沿いの低い土地です。
ここでは、国土交通省が公表している実際の取引の価格(不動産会社が成約を登録した価格と、買主へのアンケートで集めた価格)を、一戸建て・マンション・土地に分けて数えました。地価公示(更地の評価)より、売るときの目安に近い数字です。
一戸建て
土地の広さの中央値 115㎡
マンション
広さの中央値 65㎡・1㎡あたり106.7万円
土地
1㎡あたり106.2万円(坪351万円)
「不動産価格(取引価格・成約価格)情報」(国土交通省)をもとにウルスタ株式会社作成。出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ。国のデータは町名ごとで、丁目ごとには分けられません。同じ取引が取引価格と成約価格の両方に載っている場合は1件に数えています。「中ほどの半分」は、安い方から並べて25%〜75%にあたる価格です。取引の数が少ないので、1件の大きな取引で中央値が動きます。
この5年の動き
2021年から2025年にかけて、一戸建てはほぼ横ばい、マンションは約1.3倍です。1年あたりの件数は一戸建てで37〜59件、マンションで88〜132件です。広い家や新しいマンションがまとまって売れた年は高く出るので、1年ごとの上下より、5年の流れで見てください。
一戸建ては、土地の広さで価格帯が変わる
| 土地の広さ | 件数 | 価格の中央値 | 土地の広さ | 土地1㎡あたり |
|---|---|---|---|---|
| 100㎡以下 | 40件 | 7,900万円 | 85㎡ | 118万円 |
| 100〜150㎡ | 29件 | 1億1,000万円 | 120㎡ | 91.7万円 |
| 150〜250㎡ | 16件 | 2億2,000万円 | 190㎡ | 105.6万円 |
| 250㎡超 | 12件 | 4億2,000万円 | 395㎡ | 92.3万円 |
マンションは、建った年で価格が変わる
| 建った年 | 件数 | 価格の中央値 | 広さ | 1㎡あたり |
|---|---|---|---|---|
| 1981年以前 | 20件 | 2,900万円 | 45㎡ | 61.1万円 |
| 1982〜2000年 | 100件 | 5,950万円 | 60㎡ | 93.3万円 |
| 2001〜2015年 | 80件 | 8,900万円 | 75㎡ | 123.4万円 |
| 2016年以降 | 27件 | 7,300万円 | 70㎡ | 125.7万円 |
どちらも2024年4〜6月〜2026年1〜3月の取引。建った年が分からない取引は除いています。件数が数件の区分は、1件で中央値が大きく動きます。
等々力・尾山台・玉堤で売るときにつまずく3つの点
1. 玉堤の家は、浸水の履歴と対策を一枚にまとめる
2019年の台風19号で、玉堤1・2丁目と尾山台1丁目付近が浸水しました。区の検証では、谷沢川からの越水(約19万5千㎥)や、等々力排水樋門を閉められず多摩川の水が逆流したことなどが原因とされています。ハザードマップの想定浸水深、2019年に浸水したかどうか、その後の修繕や対策をまとめて先に渡すと、後から値引きの材料にされにくくなります。
2. 渓谷・崖線のそばは、擁壁と警戒区域で価格が決まる
等々力1・2丁目と尾山台1・2丁目には、土砂災害警戒区域が12か所あります。区域に入るか、古い擁壁が今の基準に合っているかで、建て替えの費用と買い手の住宅ローンが変わります。擁壁の確認済証・検査済証の有無は、売り出す前に確かめます。
3. 同じ等々力でも、建てられる大きさがまるで違う
建ぺい率40%・容積率80%の低層住宅地と、建ぺい率60%・容積率300%の幹線道路沿いでは、同じ広さの土地でも建てられる床面積が4倍近く違います。多摩川風致地区や目黒通りの地区街づくり計画も重なるので、町名で相場を見ず、地番で用途地域と計画を確かめてから価格を考えます。
建て替え・土地を分けるときのルール
| ルール | この地区で効くところ |
|---|---|
| 用途地域 | 第一種低層(40%/80%・50%/100%)、第一種中高層(60%/200%)、幹線道路沿いの第一種住居(60%/300%) |
| 多摩川風致地区・景観 | 等々力・尾山台・玉堤は風致地区の指定がある町名。尾山台1・2、玉堤1・2、等々力1丁目の全域は区の風景づくりの重点区域 |
| 目黒通り地区 | 地区街づくり計画(1996年決定)。沿道は最低限高度地区で高さ7m以上、敷地250㎡未満は空地の25%以上を緑化 |
| 尾山台三丁目地区 | 尾山台駅東の商店街まわりの地区計画 |
| 環八の沿道地区計画 | 等々力1・2丁目と尾山台1〜3丁目の環八沿い。東京都の防音工事の助成あり |
ルールの細目(地区計画・景観・崖線)
用途地域と敷地の最低限度
住宅地の地点は、第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%/容積率80%と50%/100%)、第一種中高層住居専用地域(60%/200%、等々力8丁目)、第一種住居地域(60%/300%、等々力6丁目)に分かれます。区全域のルールでは、敷地面積の最低限度は建ぺい率40%で100㎡、50%で80㎡、60%の住居系の地域で70㎡です。
多摩川風致地区と風景づくり
等々力・尾山台・玉堤は、多摩川風致地区の指定がある町名です。建物の新築・増改築や木の伐採に許可が要り、第一種は建ぺい率20%以下・高さ10m以下・道路側3m後退、第二種は建ぺい率40%以下・高さ15m以下・道路側2m後退が基準です。また、尾山台1・2丁目、玉堤1・2丁目、等々力1丁目の全域と等々力渓谷の名勝の範囲は、区の風景づくりの重点区域「水と緑の風景軸」で、延べ面積500㎡以上か見かけの高さ10m以上の建物は届出が要ります。国分寺崖線保全整備条例の崖線地区にかかる土地では、敷地500㎡以上の建築に届出が要り、建物が地面と接する位置の高低差を6m以下にします。
目黒通り地区 地区街づくり計画(1996年5月31日決定)
深沢1丁目、等々力1・2・3・4・6・7丁目、玉堤2丁目の目黒通り沿い、約14.9haが対象です。区は目黒通りを多摩川河川敷へ通じる重要な避難路と位置づけ、沿道に火災に強い建物を建てることを目標にしています。パンフレットでは、敷地250㎡未満は空地の25%以上を緑化すること、高さ60cmを超える垣・さくは緑化などで街並みに配慮すること、沿道は最低限高度地区で建物の高さを7m以上にすることが示されています。
尾山台三丁目地区 地区計画
尾山台3丁目と等々力5丁目の、尾山台駅東の商店街まわりにかかる地区計画です。商店街の活性化と、周りの住宅地と調和した街並みを目標にしています。制限の数値は計画書で確かめてください。
環八沿い
等々力1・2丁目と尾山台1〜3丁目の環八沿いは「環状八号線野毛・等々力・中町地区」(約8.9ha、延長約2.1km)の沿道地区計画の区域で、東京都の防音工事の助成制度もあります。
環八(環状八号線)沿いには、騒音から住まいを守り、沿道に建物を連ねて後ろの住宅地への音を遮るための沿道地区計画があります。主な制限は共通で、間口率(敷地の環八に面する長さのうち建物が占める割合)の最低限度10分の7、環八の路面の中心からの高さの最低限度5m、高さ5m未満の部分は遮音上有効な構造にすること、計画図で定める区域内では住宅・学校・病院などの居室を防音構造にすること、などです。環八に面する長さが20m以上の特殊建築物や事務所は、歩道面から2.5m以下の部分を道路境界から1m以上下げます。環八沿いの土地は、ふつうの住宅地と同じ感覚で建物の形を決められない点に注意が要ります。
災害のリスク
2019年の台風19号で起きたこと
区の検証の最終報告(2020年10月)では、玉堤1・2丁目と尾山台1丁目付近が浸水し、浸水量はピーク時で約22万4千㎥と推計されています。原因は、多摩川の水位が上がって排水が悪くなったこと、谷沢川からの越水(約19万5千㎥)、等々力排水樋門を閉められず多摩川から水が逆流したこと、地盤が低いことなどが重なったためとされています。区はその後、等々力排水樋門に操作盤と水位計を設けました(2020年6月)。
想定と表示板
多摩川の洪水浸水想定区域(想定最大規模、48時間総雨量588mm)は2016年5月30日に指定されています。谷沢川・丸子川などは、東京都が2024年2月15日に水防法にもとづく洪水浸水想定区域を指定しています(時間最大153mm、24時間総雨量690mm)。区は玉堤1・2丁目に想定浸水深の表示板を12か所設けています。
土砂災害警戒区域
区内104か所のうち、この地区にかかるのは12か所です。2016年3月9日告示の等々力2丁目(K026〜K030)、等々力1丁目(K036)、尾山台2丁目(K037)と、2018年1月30日告示の等々力1丁目(K096)、尾山台1丁目(K098)、尾山台1丁目・玉川田園調布1丁目(K099)、尾山台2丁目(K100)、尾山台2丁目・等々力1丁目(K101)です。特別警戒区域を含むかは、区域ごとの図面で確かめます。
売買・賃貸では、水害ハザードマップ上の位置の説明と、土砂災害警戒区域に入るかどうかの説明が重要事項説明の対象です。
地価公示と人口(参考)
地価公示・基準地価は、国や都が選んだ地点の更地としての評価です。住宅地では、尾山台駅から730mの等々力6-13-12(地価公示)が1㎡あたり123万円、九品仏駅から760mの尾山台1-17-4(基準地価)が72.4万円でした。上の取引の価格(土地の1㎡あたりの中央値)と大きくずれていないかを確かめる材料として見てください。
地価公示・基準地価の地点(9地点)
| 種類・番号 | 所在(住居表示) | 1㎡あたり | 前年比 | 最寄り駅・道路距離 | 用途地域・建ぺい率/容積率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 地価公示 世田谷-7 | 等々力6-13-12 | 1,230,000円 | +10.8% | 尾山台駅 730m | 1住居・60/300・防火 |
| 基準地価 世田谷-17 | 等々力5-18-12 | 918,000円 | +6.1% | 尾山台駅 290m | 1低専・50/100・準防 |
| 地価公示 世田谷-2 | 等々力5-18-12 | 900,000円 | +6.6% | 尾山台駅 290m | 1低専・50/100・準防 |
| 地価公示 世田谷-27 | 等々力8-13-1 | 890,000円 | ― | 等々力駅 840m | 1中専・60/200・準防 |
| 地価公示 世田谷-28 | 等々力1-29-4 | 758,000円 | +5.6% | 尾山台駅 550m | 1低専・40/80 |
| 基準地価 世田谷-42 | 尾山台1-17-4 | 724,000円 | +3.4% | 九品仏駅 760m | 1低専・40/80 |
| 基準地価(商業地) 世田谷5-10 | 等々力2-19-15 | 1,280,000円 | +7.6% | 尾山台駅 | 近商・80/300・準防 |
| 地価公示(商業地) 世田谷5-8 | 等々力2-19-15 | 1,250,000円 | +7.8% | 尾山台駅前 | 近商・80/300・準防 |
| 地価公示(商業地) 世田谷5-5 | 等々力1-30-13 | 946,000円 | +7.7% | 尾山台駅 500m | 2住居・60/300・防火 |
地価公示(国土交通省、毎年1月1日時点)と東京都の基準地価(毎年7月1日時点)は、選ばれた地点の更地としての1㎡あたりの価格です。実際に売れる価格は、道路の幅、土地の形、建物の有無と状態で変わります。前年比が「―」の地点は、その年に新しく選ばれた地点です。用途地域の「1低専」は第一種低層住居専用地域、「1中専」は第一種中高層住居専用地域、「1住居」は第一種住居地域、「2住居」は第二種住居地域、「近商」は近隣商業地域、「防火」は防火地域、「準防」は準防火地域です。
等々力1〜8丁目・尾山台1〜3丁目・玉堤1・2丁目の人口は2026年10月1日現在で40,604人、世帯は20,819で、1年前より246人増えています。
町丁目ごとの人口
| 町丁目 | 人口 | 世帯 | 面積(k㎡) | 1年前との差(人) |
|---|---|---|---|---|
| 等々力1丁目 | 2,523人 | 1,199 | 0.242 | +15 |
| 等々力2丁目 | 3,687人 | 2,081 | 0.24 | +49 |
| 等々力3丁目 | 2,561人 | 1,395 | 0.2 | -10 |
| 等々力4丁目 | 2,329人 | 1,402 | 0.141 | -21 |
| 等々力5丁目 | 3,569人 | 1,852 | 0.216 | +29 |
| 等々力6丁目 | 4,740人 | 2,487 | 0.244 | +134 |
| 等々力7丁目 | 4,585人 | 2,222 | 0.243 | -46 |
| 等々力8丁目 | 3,799人 | 1,734 | 0.202 | +64 |
| 尾山台1丁目 | 1,767人 | 799 | 0.143 | +11 |
| 尾山台2丁目 | 1,963人 | 925 | 0.183 | +34 |
| 尾山台3丁目 | 3,011人 | 1,716 | 0.18 | +16 |
| 玉堤1丁目 | 4,889人 | 2,437 | 0.499 | -18 |
| 玉堤2丁目 | 1,181人 | 570 | 0.149 | -11 |
| 合計 | 40,604人 | 20,819 | +246 |
世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(住民基本台帳)。
よくある質問
等々力・尾山台・玉堤の一戸建ては、いくらくらいで売れていますか。
等々力・尾山台・玉堤のマンションの相場はどのくらいですか。
玉堤で2019年に浸水した家は売れますか。
出典・参考にした資料
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ「不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード」
- 世田谷区「等々力地区」
- 東京都財務局「令和8年地価公示 公示価格個別地点データ(東京都分)」
- 東京都財務局「令和8年東京都基準地価格 基準地価格一覧(CSV)」
- 世田谷区「町丁目別人口と世帯数」(2026年・2025年)
- 東京都財務局「令和8年地価公示価格(東京都分)の概要」
- 東急電鉄「尾山台駅」
- 東急電鉄「等々力駅」
- 東急電鉄「2025年度 駅別乗降人員」
- 世田谷区「等々力渓谷公園」
- 世田谷区「東京都指定名勝 等々力渓谷」
- 世田谷区「東京都指定史跡 等々力渓谷3号横穴」
- 世田谷区「目黒通り地区 地区街づくり計画パンフレット」
- 世田谷区「目黒通り地区」
- 世田谷区「尾山台三丁目地区」
- 世田谷区「環状八号線 野毛・等々力・中町地区 沿道地区計画」
- 世田谷区「地区計画等・地区街づくり計画一覧」
- 世田谷区「敷地面積の最低限度の制限」
- 世田谷区「東京都風致地区条例」
- 世田谷区「風景づくり条例に基づく届出制度」
- 世田谷区「国分寺崖線保全整備条例」
- 世田谷区「浸水被害の検証 最終報告」
- 世田谷区「令和元年台風第19号に伴う浸水被害の検証 最終報告書」(令和2年10月)
- 国土交通省 京浜河川事務所「多摩川の洪水浸水想定区域図」
- 東京都建設局「野川・仙川・入間川・谷沢川・丸子川流域の浸水予想区域図」
- 世田谷区「想定浸水深表示板の設置について」
- 世田谷区「洪水・内水氾濫ハザードマップ」
- 世田谷区「土砂災害防止法に基づく指定区域について」
- 東京都「土砂災害警戒区域等マップ」
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の一部改正(水害リスク情報の重要事項説明への追加)」
2026年10月21日時点で確認した内容です。取引価格・成約価格は、国土交通省が四半期ごとに追加するたびに更新します。個々の物件の価格は、土地の形・道路・建物の状態で大きく変わります。建築のルールは地番ごとに違うことがあるので、建てる・売る前には区の窓口で確かめてください。
世田谷の家や土地のこと、まず話を聞かせてください
売るか貸すか決まっていなくてもかまいません。旗竿地や私道に面した家、相続で名義が決まっていない家など、条件が難しい家のご相談もお受けします。相談は無料です。



