賃貸管理 読了 13分

宅建業免許の更新フロー|有効期間5年、申請は満了の90日前から30日前まで。変更届・専任の宅建士・手数料と失効を防ぐ期限管理

宅建業免許の有効期間は5年で、更新の申請は満了日の90日前から30日前までです。期間内に申請すれば審査中も従前の免許は有効ですが、期限を過ぎると免許は失効します。変更届の漏れ、専任の宅建士、手数料、期限管理の方法を条文と東京都の手引で確認します。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
宅建業免許の更新フロー|有効期間5年、申請は満了90日前〜30日前、失効を防ぐ期限管理
目次

宅建業免許の有効期間は5年で、更新の申請は有効期間満了の日の90日前から30日前までに出します(宅建業法3条2項・3項、施行規則3条)。この期間内に申請していれば、審査が満了日までに終わらなくても、従前の免許は処分が出るまで有効です(3条4項)。逆に申請しないまま満了日を過ぎると免許は失効し、そのまま営業を続けると無免許営業になります。この記事では、条文と東京都の手引で確かめた更新の流れと、期限を落とさないための管理の方法を整理します。

更新のルールを条文で確認

条文内容
宅建業法3条1項2以上の都道府県に事務所を置くなら国土交通大臣、1つの都道府県だけなら都道府県知事の免許を受ける
3条2項免許の有効期間は5年
3条3項有効期間の満了後も引き続き営業するなら、免許の更新を受けなければならない
施行規則3条更新を受けようとする者は、有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に免許申請書を提出する
3条4項更新の申請をした場合に、満了日までに処分がされないときは、従前の免許は処分がされるまでの間なお効力を有する
3条5項その場合に更新されたときは、新しい有効期間は従前の満了日の翌日から数える
3条6項大臣免許の更新は、政令で定める手数料を納める

ポイントは、3条4項の「なお効力を有する」が、更新の申請をしたことを前提にしている点です。施行規則3条の期間(満了の30日前まで)を過ぎてしまうと、申請を受け付けてもらえるかどうかから提出先に確認することになります。

申請期間の目安の出し方

仮の日付で計算例を示します。有効期間の満了日が2027年3月31日の場合、単純に日数を引くと、90日前は2026年12月31日、30日前は2027年3月1日です。年末年始や土日祝日は窓口が閉まっていることがあるので、実際の受付日は提出先の案内で確認してください。

東京都の郵送手続の案内では、提出期限(期間満了の30日前)を過ぎたものは郵送受付の対象外とされ、郵送の場合の受付日は、発送日や到達日ではなく、手数料を現金書留で受け取った日とされています。郵送を使うなら、30日前の締切よりかなり早く動く必要があります。

申請前に済ませておくこと

変更届の漏れをなくす

宅建業法9条は、商号、役員の氏名、政令で定める使用人の氏名、事務所の名称・所在地、事務所ごとの専任の宅地建物取引士の氏名(4条1項1号〜5号)に変更があったとき、30日以内に届け出ることを求めています。東京都の手引では、変更届の提出が漏れている場合は更新申請ができないとされています。役員の交代や専任の宅建士の入れ替えがこの5年にあったかを、最初に確かめてください。

専任の宅建士の人数と要件

法31条の3第1項と施行規則15条の5の3により、事務所ごとに、業務に従事する人の5分の1以上の成年者である専任の宅建士を置かなければなりません。人数が足りなくなったときは、2週間以内に必要な措置をとる必要があります(31条の3第3項)。東京都の「免許のあらまし」では、専任の宅建士には、事務所の通常の勤務時間に常勤していること(常勤性)と、専らその事務所の宅建業の業務に従事していること(専従性)の2つが求められるとされています。

専任の宅建士の宅建士証の有効期限も確認しておきます。宅建業法2条4号で、宅建士は宅建士証の交付を受けた人と定義されているため、宅建士証が切れた人は宅建士として数えられません。宅建士証の更新は、宅建の合格率と宅建士証の更新の記事で説明しています。

事務所の要件

東京都の「免許のあらまし」では、事務所は、物理的にも宅建業の業務を継続的に行える機能を持ち、社会通念上も事務所と認識される程度の独立した形態を備えている必要があるとされています。5年の間にレイアウトを変えたり、他の事業と同じ部屋を使うようになったりした場合は、更新の前に見直してください。

免許換えが必要になっていないか

都道府県知事の免許を受けた業者が、他の都道府県にも事務所を置くようになったときなどは、大臣免許などへの免許換えが必要です(法7条1項)。新たな免許を受けると従前の免許は効力を失います。事務所の増減があった会社は、更新ではなく免許換えの手続になっていないかを確かめます。

東京都知事免許の更新の流れ

東京都の手引にある更新免許申請のフローは、変更事項の確認、書類の作成、免許申請、審査、免許、免許証の交付の順です。

  1. 変更事項を確認し、届出の漏れがあれば先に変更届を出す。
  2. 手引に沿って更新の申請書類を作る。
  3. 90日前から30日前までの間に、窓口、郵送、電子申請のいずれかで申請する。
  4. 審査を受け、補正を求められたら対応する。
  5. 東京都の手引では、原則として現免許証の期限が満了する直前に、はがきで通知するとされています。免許日を過ぎてもはがきが届かない場合は問い合わせるよう案内されています。
  6. はがきなどを持って、指定の窓口で新しい免許証を受け取る。

大臣免許や他の道府県の知事免許では、提出先や書類が違います。免許を受けた行政庁の手引を確認してください。

手数料と申請の方法

東京都の「宅地建物取引業法等関係手数料条例」では、知事免許の更新申請手数料は33,000円、電子情報処理組織を使う方法で申請した場合は26,500円とされています。

東京都の手引の案内では、令和7年1月6日から国土交通省の「eMLIT」による電子申請ができるようになりました。ただし、当面の間は手数料の電子納付ができず、窓口に持参するか現金書留で郵送する必要があるとされています。電子申請を使う場合も、手数料の納め方を先に確認しておくと手戻りがありません。

期限を過ぎた場合

東京都の「免許のあらまし」では、更新の手続を怠った場合は免許が失効し、更新の手続をしないで宅建業を営むと、法12条違反(無免許事業等の禁止)により罰則が科されるとされています。

法12条1項は免許を受けない者の宅建業を、2項は宅建業を営む旨の表示や広告を禁じています。法79条は、12条1項に違反した者に3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方を定めています。失効したあとに続けて営業するには、新たに免許を受け直すしかありません。その間は仲介も、宅建業を営む旨の広告もできないことになります。

更新後に差し替えるもの

新しい免許証を受け取ったら、免許の内容を表示している物を確認し、必要なら差し替えます。法50条1項は、事務所ごとに公衆の見やすい場所に標識を掲げることを求めています。次のような物を一覧にしておくと漏れが減ります。

  • 事務所に掲げている標識
  • 会社のウェブサイトの会社概要
  • 広告や募集図面に載せている免許の表示
  • 名刺や封筒に免許の表示を入れている場合はその版下
  • 取引先や業界団体に届けている情報

更新の機会に点検したい備付け

免許の更新そのものの書類とは別に、宅建業法には事務所ごとに備えたり掲げたりする物の定めがあります。5年に1度の更新は、これらがそろっているかをまとめて確かめるよい機会です。

条文内容点検のしかたの例
46条4項事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示する掲示があるか、告示の改正に合わせた内容かを見る
48条1項・2項従業者に従業者証明書を携帯させる。取引の関係者から求められたら提示するこの5年に入社した人の分が発行されているかを見る
48条3項・4項事務所ごとに従業者名簿を備え、従業者の氏名や証明書の番号などを記載する。求めがあれば閲覧させる退職者・入社者が反映されているかを見る
49条事務所ごとに業務に関する帳簿を備え、取引のつど年月日や物件の所在・面積などを記載する取引の記載が抜けていないかを見る
50条1項事務所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げる新しい免許の内容に合っているかを見る

専任の宅建士の入れ替えがあった場合は、変更届(9条)とあわせて、従業者名簿と従業者証明書も更新されているかを確かめます。届出と社内の書類の内容が食い違っていると、更新の審査で説明を求められる原因になります。

期限管理の仕組みの例

5年に1度の手続は、担当者が替わると忘れられがちです。ここでは管理の仕組みの例を示します。

  1. 免許証の有効期間の満了日を、会社の共有カレンダーに登録する。
  2. 満了の6か月前に「変更届の漏れと専任の宅建士の確認」、120日前に「書類の準備開始」、90日前に「申請受付開始」、45日前に「申請の最終目標日」の予定を入れる。
  3. 担当者を1人に決め、もう1人を予備として決めておく。
  4. 役員の交代、事務所の移転、専任の宅建士の入れ替えがあったら、その都度30日以内の変更届を出す手順を社内の手順書に書いておく。
  5. 専任の宅建士の宅建士証の有効期限も、同じカレンダーで管理する。

筆者が代表を務めるウルスタ株式会社も、宅地建物取引業 東京都知事(1)第113653号の免許で営業しています。会社の規模にかかわらず、更新は代表者が日付を把握しておくべき手続です。

このテーマの全体像は「不動産の業務効率化ガイド2026|5段階の進め方と法令チェックポイント・関連記事一覧」にまとめています。

よくある質問

Q1. 30日前を過ぎてしまったら、もう更新できませんか。

施行規則3条は、満了の90日前から30日前までの間に申請書を出すことを求めています。過ぎてしまったときは、すぐに免許を受けた行政庁に相談してください。満了日を過ぎると免許は失効し、営業を続けるには新たに免許を受け直す必要があります。

Q2. 更新の審査中に満了日が来たら、営業を止める必要がありますか。

期間内に更新を申請していれば、満了日までに処分がされなくても、従前の免許は処分がされるまでの間なお効力を有します(法3条4項)。

Q3. 更新後の有効期間はいつから数えますか。

従前の免許の有効期間の満了の日の翌日から数えます(法3条5項)。審査が長引いても、次の満了日が後ろにずれることはありません。

Q4. 専任の宅建士が退職した直後に更新の時期が来ました。

5分の1以上を満たさなくなったときは、2週間以内に必要な措置をとる必要があります(法31条の3第3項)。新しい専任の宅建士を置いたら30日以内に変更届を出し(法9条)、届出を済ませてから更新を申請します。

Q5. 電子申請にすると手数料は安くなりますか。

東京都の手数料条例では、紙の申請が33,000円、電子申請が26,500円です。ただし東京都の案内では、当面の間は電子納付ができないため、手数料は窓口か現金書留で納めます。

Q6. 郵送で申請するときの注意点はありますか。

東京都の郵送手続の案内では、受付日は手数料を現金書留で受け取った日とされ、30日前を過ぎたものは郵送受付の対象外です。また、郵送は持参に比べて補正のやりとりや返送に時間がかかるため、満了日までに新しい免許証が届かない場合があるとされています。余裕をもって申請してください。

Q7. 国土交通大臣の免許でも申請期間は同じですか。

同じです。施行規則3条の「90日前から30日前まで」は、法3条3項の更新を受けようとする者すべてにかかります。大臣免許の更新では、政令で定める手数料を納めます(法3条6項)。提出先や書類は大臣免許の手引で確認してください。

出典(本文で参照している資料)

この記事は2026年10月7日時点の情報です。

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