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業者間流通(BB)とレインズの違い2026|登録義務・取引状況の制度・使い分けの考え方

レインズは宅建業法に基づいて国土交通大臣が指定した指定流通機構が運営する仕組みで、専任媒介の売買物件には登録義務があります。民間の業者間流通(BB)は各社の規約による任意の仕組みです。法的な位置付けの違いと、売買・賃貸での使い分けの考え方を整理します。

馬場生悦
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
業者間流通(BB)とレインズの違い2026|法的な位置付けと使い分けの考え方
目次

レインズは宅建業法に基づいて国土交通大臣が指定した指定流通機構が運営する仕組みで、専任媒介契約を結んだ売買物件には登録義務があります。一方、民間の業者間流通(BB)は、各運営会社の規約で成り立つ任意の仕組みです。どちらが優れているかではなく、法律で求められていることと、集客や業務の都合で選べることを分けて考えるのが出発点です。この記事では、2つの法的な位置付けの違い、2025年から始まった取引状況の登録、売買と賃貸での使い分けの考え方を、法令と公的資料に沿って整理します。

レインズとは(指定流通機構)

レインズは、宅地建物取引業法(宅建業法)に基づき、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している、業者間の物件情報のネットワークです。法律上は「指定流通機構」と呼ばれます。

  • 指定の根拠: 宅建業法34条の2第5項は、専任媒介契約を結んだ業者に、国土交通大臣が指定する者(指定流通機構)への登録を義務づけています。
  • 指定を受けられる者: 50条の2の5第1項は、宅地・建物の取引の適正の確保と流通の円滑化を目的とする一般社団法人または一般財団法人であることなどを要件にしています。
  • 業務の内容: 50条の3第1項は、専任媒介契約などの目的物の登録、登録した物件の情報を宅建業者に提供すること、その情報に関する統計の作成などを、指定流通機構の業務として定めています。
  • 登録証明書: 50条の6は、登録があったときに、登録した業者へ登録を証する書面を発行するよう定めています。業者はこれを遅滞なく依頼者に渡します(34条の2第6項)。

国土交通省の資料では、指定流通機構は東日本不動産流通機構、中部圏不動産流通機構、近畿圏不動産流通機構、西日本不動産流通機構の4つとされています。物件は、所在地を含む地域を担当する機構に登録します(施行規則15条の12)。一般の人はレインズを使えません。

レインズへの登録義務の範囲

登録義務は、すべての取引にあるわけではありません。対象と期限を整理します。

媒介の種類登録義務期限・根拠
専属専任媒介契約(売買・交換)あり契約の日から5日以内(休業日は数えない)。法34条の2第5項、施行規則15条の10
専任媒介契約(売買・交換)あり契約の日から7日以内(休業日は数えない)。同上
一般媒介契約(売買・交換)なし(任意)34条の2第5項は専任媒介契約についての定め
貸借の媒介なし(任意)34条の2は売買・交換の媒介契約についての定め

登録する事項は、所在、規模、形質、売買すべき価額のほか、法令上の主な制限、取引の申込みの受付に関する状況、専属専任媒介契約であればその旨などです(34条の2第5項、施行規則15条の11)。売買・交換の契約が成立したときは、登録番号、取引価格、契約の成立した年月日を、遅滞なく指定流通機構に通知します(34条の2第7項、施行規則15条の13)。

また、34条の2第10項により、登録に関する定め(3項から6項)などに反する特約は無効です。依頼者と「登録しない」と取り決めても、専任媒介であれば登録義務はなくなりません。

2025年からの取引状況の登録と登録証明書

国土交通省の資料(令和6年12月24日)によると、レインズは2025年に次のように変わりました。

  • 2025年1月1日から、専任媒介・専属専任媒介の物件について、「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」のいずれかの取引状況を登録することが義務になりました(宅建業法施行規則の改正)。
  • 2025年1月4日から、業者が売主に渡す登録証明書に二次元コード(QRコード)が付き、売主が「売主専用画面」で取引状況を確かめやすくなりました。

ねらいは、売主の知らないところで、ほかの業者からの紹介を断る「囲い込み」を防ぐことだと説明されています。売主が自分で状況を確かめられるようになったため、実際の状況と登録の内容がずれていると、売主との信頼関係にすぐ響きます。申込を受けた日、紹介を止めた日、その理由を社内で記録しておくと、売主に説明を求められたときに答えられます。

売主への報告の決まり

レインズへの登録とあわせて、宅建業法は売主(依頼者)への報告も定めています。取引状況の登録は、この報告の決まりと組み合わせて運用すると、説明の食い違いが起きにくくなります。

決まり内容根拠
申込みがあったときの報告媒介契約を結んだ業者は、売買・交換の申込みがあったときは、遅滞なく依頼者に報告する34条の2第8項
専任媒介の定期報告業務の処理状況を2週間に1回以上報告する34条の2第9項
専属専任媒介の定期報告業務の処理状況を1週間に1回以上報告する34条の2第9項

申込みの報告(8項)は、一般媒介を含む媒介契約に共通の決まりです。レインズに「書面による購入申込みあり」と登録した日と、売主に申込みを報告した日がそろっているかを、社内の記録で確かめられるようにしておきます。定期の報告には、レインズでの問い合わせや内見の状況、取引状況を変えた日とその理由を書いておくと、売主が登録証明書から見られる情報と説明が一致します。

民間の業者間流通(BB)とは

民間の業者間流通(BB)は、不動産会社向けに民間の会社が運営する物件情報の共有サイトや、業務システムの業者間の機能の総称として使われる言葉です。法令に「BB」という制度はなく、宅建業法上の指定もありません。

  • 使えるかどうか、何を載せられるかは、運営会社の利用規約で決まります。
  • 載せる義務はなく、どの物件を載せるかは業者が選びます。賃貸の募集で使われることが多い仕組みです。
  • レインズへの登録の代わりにはなりません。専任媒介の売買物件をBBに載せていても、レインズへの登録義務はそのまま残ります。
  • 一方で、BBに載せた情報をもとにほかの業者が広告をすることもあるため、広告に関する決まり(宅建業法32条、不動産の表示に関する公正競争規約)はBB上の情報の扱いにも関係します。

違いを表で比べる

料金や画面の使い勝手は運営者ごとに異なり、変わることもあるため、ここでは法的な位置付けと決まりだけを比べます。

観点レインズ(指定流通機構)民間の業者間流通(BB)
根拠宅建業法34条の2、50条の2の5以下運営会社の利用規約
運営者国土交通大臣の指定を受けた一般社団法人・一般財団法人(4機構)民間の会社
登録義務専任媒介・専属専任媒介の売買・交換にあり(7日・5日以内)なし
取引状況2025年1月1日から登録が義務各サービスの機能と運用による
成約の扱い売買・交換の成約を機構に通知(34条の2第7項)各サービスの規約による
依頼者への書面登録証明書を依頼者に渡す(34条の2第6項、50条の6)法令上の定めなし
広告の決まり宅建業法32条、表示規約は、広告をする業者に共通して適用同じ

売買と賃貸での使い分けの考え方

使い分けは、まず法律上の義務があるかどうかで分け、そのうえで集客と業務の都合で選ぶ、という順番で考えると整理しやすくなります。

売買の専任媒介・専属専任媒介

レインズへの登録は義務です。期限(7日・5日)、取引状況の登録、登録証明書の交付、成約の通知までを1つの手順として管理します。BBに載せるかどうかは任意で、載せる場合は、レインズの取引状況とBB上の表示がずれないように、更新の担当と時期を決めておきます。

売買の一般媒介

レインズへの登録は任意です。依頼者がほかの業者にも依頼している場合、同じ物件がいくつもの業者から出るため、価格や状況の表示が食い違わないように、依頼者からの連絡を受けたらすぐに更新する決まりにしておきます。

賃貸の募集

レインズへの登録義務はありません。どの仕組みに載せるかは、物件のある地域で客付業者がどの仕組みを使っているかで決めるのが現実的です。客付業者に「物件をどこで探しているか」を聞いてみると、判断の材料になります。載せる先が増えるほど更新の手間と止め忘れの危険が増えるため、1つの物件データから更新できるかどうかも大切です。

どの場合も共通すること

  • 載せた先を一覧にしておき、成約や募集停止のときにすべて止める。
  • 物件ごとに、広告を出してよいか、出せる媒体や表示の条件を明示する。
  • 状況を変えた日時と担当者を記録する。

業者間サイトを選ぶときの確認

特定のサービスの優劣は、地域や扱う物件で変わります。順位を付けるより、次の点を自社で確かめるのが確実です。

  • 自社の地域の客付業者が、実際にそのサイトを見ているか
  • 物件の状態(募集中・申込あり・募集停止など)を分けて示せるか
  • 広告の可否や条件を物件ごとに示せるか
  • 更新した日時が残り、相手の業者にも分かるか
  • 利用規約で、載せた情報の扱い(ほかの業者による広告への転用など)がどう決まっているか
  • 物件情報を書き出せるか、ほかの掲載先と同じデータから更新できるか
  • 料金と契約の期間(料金は各社の公式の案内で、契約前に確かめる)

この記事を公開しているウルスタ株式会社のウルスタくんにも、業者間流通の機能(ウルスタBB)があります。管理物件の情報を他社の客付業者へ公開する業者間のネットワークで、物件・入居者の管理や募集図面(マイソク)と同じ物件データから情報を出せます。ウルスタBBは民間の業者間流通の1つであり、レインズへの登録の代わりにはなりません。

よくある質問

Q1. 賃貸だけを扱う会社もレインズに入る必要がありますか。

貸借の媒介には、宅建業法上のレインズへの登録義務はありません。加入するかどうかは、売買を扱う予定があるか、レインズの情報を業務で使うかで判断します。加入の条件や費用は、各地域の指定流通機構で確かめてください。

Q2. 専任媒介の売買物件をBBに載せれば、レインズに登録しなくてよいですか。

いいえ。34条の2第5項の登録先は指定流通機構に限られます。BBに載せていても、契約の日から7日以内(専属専任は5日以内、休業日を除く)にレインズへ登録する必要があります。

Q3. 依頼者が「レインズに載せないで」と言ったら、どうなりますか。

専任媒介・専属専任媒介であれば、登録しない特約は34条の2第10項により無効です。人に知られずに売りたいといった事情があるなら、一般媒介を含めて媒介契約の種類から相談します。

Q4. レインズの取引状況は、いつ変えればよいですか。

国土交通省の資料が示す3つの状況(公開中、書面による購入申込みあり、売主都合で一時紹介停止中)のうち、実際の状況に合うものを、変わったときに遅れずに登録します。売主は登録証明書の二次元コードから状況を確かめられるため、実際とずれないことが大切です。

Q5. BBに載せた物件を、ほかの業者が広告に使ってもよいですか。

扱いはBBの利用規約と、物件ごとに元付業者が示す広告の条件によります。広告をする業者は、宅建業法32条や表示規約に沿って、成約した物件をすぐに削除する必要があります。

出典(本文で参照している資料)

この記事は2026年10月7日時点の情報です。

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