賃貸管理・仲介の現場で判断に迷う場面を、法改正の期限、実務の手順、書式の作り方から整理しています。

毎年9月と3月は「価格交渉促進月間」です。2026年8月27日付の経済産業大臣の周知文が日管協を通じて管理会社にも届き、9月下旬からは受注側中小企業30万社へのフォローアップ調査が始まります。6月に公表された前回調査では、発注者としての「不動産業・物品賃貸業」は転嫁率52.9%で19位、受注者としては41.0%で28位、前回から8.0ポイント下がりました。賃貸管理会社は清掃・点検・工事を発注する側であり、オーナーや元請けから受託する側でもあります。2026年1月1日に施行された中小受託取引適正化法(取適法)の対象になるかを資本金と従業員数で確かめる手順、労務費指針の12の行動、9月中にやること5つを書きました。

国土交通省が8月28日に公表した令和9年度予算概算要求。住宅局は4,187億円で前年度の2.43倍、行政経費は7.87倍です。みらいエコ住宅2027事業(新規2,000億円)、空き家のサブリース事業に融資する住宅金融支援機構の新制度、管理会社と居住支援法人が組む居住サポート住宅のモデル事業、賃貸住宅管理業者の「評価制度」創設のための技術的設計。中小の賃貸管理会社に関わる7項目を要求額・補助率つきで拾い、概算要求を「決まったこと」と読み違えないための見方を書きました。

付帯設備表と物件状況確認書は、契約書の後ろに付く添付書類として扱われがちです。ですがこの2枚が決めているのは「壊れたときに誰が払うか」です。売買は民法562条、賃貸は611条1項。日管協のガイドラインは2024年10月に改定されました。書き分けの実務を整理します。

入居申込書には法定の様式がないため、申込金の返し方、個人情報の利用目的と提供先、外国人の在留カードの欄は各社が法令に合わせて整える必要があります。宅建業法、個人情報保護法、出入国在留管理庁と国土交通省の資料をもとに、見直す欄と確認表をまとめます。

令和8年度の地域別最低賃金は、47都道府県の答申が9月3日に出そろいました。全国加重平均1,177円、引上げ額は54円から65円、最高は東京1,280円、最低は宮崎1,085円。発効日は10月1日が15都道府県、残りは10月2日から12月2日にかけて順次です。業務改善助成金の申請期限は「発効日の前日」なので、10月1日発効の県は9月30日が締切。一覧表と換算式、9月中にやることを書きました。

「疑わしい取引の届出をすると契約できないのでは」「契約に至らなかったから届出しなくていい」。この2つの読み方が現場に広がっていたため、国交省は2026年9月3日に「解釈」を出しました。届出をした上で契約してよく、自社判断で断った案件でも届出する。宅建業者の届出は令和7年度325件が、令和8年度は第1四半期だけで204件。10月目処のチェックリスト改訂案は44事例です。

家賃査定システムを入れる目的が、募集賃料の決定か、管理受託の提案か、更新時の見直しかで、比べる点は変わります。査定書の中身、オーナー提案での注意、件数と費用、データと契約の確認点を、法令の条文と合わせて整理します。

8月21日に全国7月分、8月28日に東京都区部8月分の消費者物価指数が公表されました。この月から2025年基準です。民営家賃の前年同月比は、全国0.7%、東京都区部2.0%。総合はどちらも1.9%です。全国では家賃が物価全体の3分の1しか上がっていないのに、設備修繕・維持は4.1%上がっています。オーナーの収支は、家賃より先に修繕費で痩せます。賃料改定の根拠として、どの数字を、どの順番で見せるかをまとめます。

令和8年9月1日、国土交通省が第5回 地域価値を共創する不動産業アワードの募集要領を公表しました。国土交通大臣賞の新設が見出しになっていますが、中小不動産会社にとって効くのはそこではありません。第4回の要領にあった「①応募希望者自らによる応募」が、第5回では消えています。残っているのは推薦による3経路だけです。募集開始は10月1日ですが、推薦者への相談は、その前から始めないと間に合いません。

制度改正・統計の記事を1か所に集めた索引です。施行日のあるもの/税とお金/賃貸管理の現場、の順に並べています。自社の書面と業務フローに触れるものだけを先に拾ってください。

同じ日に、同じ課から、同じ登記データを元にした2本の指数が出ました。個人が買った中古住宅は125.0、法人が買った既存建物は269.0。基準はどちらも2010年平均=100です。16年で個人は1.25倍、法人は2.69倍。戸建にいたっては個人1.25倍に対して法人3.55倍です。そしてもう一つ。先月「前月比1.3%減」と公表された4月の数字は、今回の資料の中で「0.6%減」に書き換わっています。

「新築住宅の4割が住宅性能評価を受けている」という言い方が出てきます。数字は本当です。ただし40.7%は設計住宅性能評価書の割合で、施工段階と完成段階の検査を経た建設住宅性能評価書まで取った住宅は198,584戸、着工戸数に対しては27.9%です。差は90,683戸あります。そして仲介・管理の実務で効くのは、設計ではなく建設のほうです。弁護士会の紛争処理を1万円で使えるのは、建設住宅性能評価書が交付された住宅だからです。